2013 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱がんにおける治療標的となり得るがん関連遺伝子の解析および転移予測指標の確立
Project/Area Number |
24791656
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
西山 直隆 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70619030)
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Keywords | 膀胱がん / ゲノム網羅的解析 / ADAMTS1 |
Research Abstract |
膀胱がん細胞株T24、UMUC3を用いてシスプラチン耐性株を作成、T24、T24シスプラチン耐性株(T24-R)、UMUC3、UMUC3シスプラチン耐性株(UMUC3-R)での細胞毒性試験を施行した。細胞毒性試験ではT24-R、UMUC-Rはシスプラチンだけではなくゲムシタビンにも同様に耐性を獲得していることを見出した。 これらの細胞株において、3D-Gene Human Oligo chip 25K(東レ株式会社)を用いた発現解析をT24 vs T24-R、UMUC3 vs UMUC3-Rおよび手術標本より得られた検体を用いてRNA抽出しGC療法長期奏功症例 vs GC療法早期耐性症例のそれぞれでゲノム網羅的なRNA発現解析を行った。全染色体における尿路上皮がんのRNA遺伝子発現とシスプラチン耐性およびGC療法抵抗性と関連すると考えられるがん関連遺伝子、9遺伝子を見出した。 また先に研究者は尿路上皮がん49検体において、244K oligonucleotide arrayを用いたアレイCGH法にてゲノム網羅的にゲノム構造異常を解析し、ゲノム構造異常の臨床病理学的意義に関して研究を行った(Carcinogenesis 2011, 32, 462–46)。3D-Gene発現解析で同定したがん関連遺伝子9遺伝子において、アレイCGH法の解析で、ゲノム構造異常と臨床病理学的因子が相関する遺伝子座に位置する遺伝子はHISTH1C、AKAP12、ADAMTS1、FN1であり、これらの遺伝子について免疫染色を行い検討した。免疫染色は当院にて転移を有する尿路上皮がんに対しGC療法を行った32症例を対象とした。 免疫染色の結果、ADAMTS1においてがん細胞におけるADAMTS1陽性率67%以上の症例9例を陽性症例と判定した場合、ADAMTS1の免疫染色陽性例とGC療法に対する無増悪生存期間(p=0.032)および疾患特異的生存率(p=0.006)とに有意に相関していた。
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