2013 Fiscal Year Annual Research Report
再燃前立腺癌で生じる酸化ストレス機構をターゲットにした分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
24791658
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
内木 拓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50551272)
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 |
Research Abstract |
【方法・結果】①モデル動物の樹立:前立腺癌好発トランスジェニックラットから得られたホルモン依存性癌を去勢したヌードマウス皮下に移植し、継代を繰り返すことで、CRPCモデルを樹立した。このモデルでは、ヒト前立腺癌で好発する骨転移が高頻度に観察された。②原因遺伝子の同定:マウス皮下に移植した前立腺癌が去勢抵抗性を獲得した前後で変動する遺伝子群をマイクロアレイにより解析し、CRPCで上昇する遺伝子として、細胞内の酸化ストレス処理に関わるGPX2を同定した。③GPX2の機能解析:(i)CRPCモデルから樹立した細胞株PCai1およびヒトCRPC細胞株PC3に対してsiRNAによりGPX2発現を特異的に抑制し、細胞増殖に与える影響を検討した。その結果、GPX2 発現を抑制すると細胞増殖が著明に抑制され、細胞内ROS産生が有意に増加した。その増殖抑制効果はcyclin B1依存性のcell cycle arrestであった。 (ii) GPX2 siRNAを導入したPCai1をヌードマウスに皮下移植し、腫瘍体積の変化を経時的に計測した。その結果GPX2 siRNA導入細胞株は、対照群と比較して去勢マウスでの造腫瘍性が有意に抑制されGPX2は去勢環境下での腫瘍増殖に促進的に関与することが明らかとなった。 (iii)ヒト前立腺癌ネオアジュバント療法施行および非施行症例において、癌細胞におけるGPX2発現を全摘手術標本を用いて免疫組織学的に検討した。その結果、ネオアジュバント症例での残存癌病巣において、GPX2の発現上昇を認めた。さらにヒト生検検体を用いた解析では、GPX2陰性例は陽性例に比較して、PSA recurrence-free survivalおよびOverall survivalが有意に高かった。【考察・結論】CRPCでは、GPX2の発現上昇を誘導することで細胞内ROSを制御し、増殖促進に深く関与していることが明らかとなった。以上の結果からGPX2は去勢抵抗性獲得の予後マーカーとして有用であり、CRPC治療の標的分子候補となりうることが示唆された。
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[Journal Article] GPX2 overexpression is involved in cell proliferation and prognosis of castration-resistant prostate cancer2014
Author(s)
Naiki T, Naiki-Ito A, Asamoto M, Kawai N, Tozawa K, Etani T, Sato S, Suzuki S, Shirai T, Kohri K, Takahashi S.
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Journal Title
Carcinogenesis
Volume: Epub ahead of print
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Glutathione peroxidase 2 is a potential therapeutic molecule for castration-resistant prostate cancer
Author(s)
Taku Naiki, Makoto Asamoto, Aya Naiki-Ito, Noriyasu Kawai, Keiichi Tozawa, Ryosuke Ando, Toshiki Etani, Yosuke Ikegami, Yasumichi Naruyama, Katsutoshi Fukuta, Yoshihiro Hashimoto, Hidetoshi Akita, Daisuke Nagata, Kenji Yamada, Takehiko Okamura, Satoru Takahashi, Kenjiro Kohri
Organizer
AUA annual meetings
Place of Presentation
アメリカ サンディエゴコンベンションセンタ
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