2012 Fiscal Year Research-status Report
腎結石とメタボリックシンドロームに係わる遺伝子の同定と再発予防への応用
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24791661
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢内 良昌 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40468252)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ob/ob / 結石 / adiponectin / 結石関連遺伝子 / Gene Ontology解析 |
Research Abstract |
1.MetSモデルマウス(ob/ob)を用いて、MetS予防効果を有するAPNの投与による結石抑制効果について24時間尿、血清の結石関連物質および脂質関連物質の測定を行った。また、結石形成量を検討した。8週齢のwild type,ob/ob各6匹に、GOX50mg/kgを連日腹腔内投与して結石形成マウスを作成した。ob/obは有意に結石増加を認めた(p<0.01)。血液生化学検査では、ob/obにおいてTG,T-chlは有意に高値であった(p<0.05)がUA、Ca、P、Mgは有意差を認めなかった。尿生化学検査では両群間に有意差を認めなかった。また、adiponectinはob/obで低下を認め(p<0.01)、GOX投与により低下の傾向を認めた。 2.ゲノムワイド解析による腎遺伝学的環境変化について検討を行った。腎組織よりtotal RNAを抽出し委託解析し、その解析結果を確認した。結石関連遺伝子群の検索では、259の遺伝子が発現増加(2.0倍以上)し、243の遺伝子が発現減少(0.5倍以下)していた。GO解析で、発現増加遺伝子群の作用は、免疫反応、炎症反応、防御反応、細胞接着であった。発現低下遺伝子群は、ミトコンドリア機能、脂肪酸代謝/酸素輸送体、酸素結合能などの細胞呼吸機能/細胞修復機能の改善であった。現在、adiponectinによる抑制効果における遺伝子群の同定、機能解析を施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロアレイ検体の提出、網羅的な遺伝子検索・同定は終了しておりob/obマウスにおける結石関連遺伝子の同定は終了している。また、Gene Ontology解析は終了しており、同定された結石関連遺伝子から得た生物学的特徴、分子学的特徴についても同定されている。一方で、adiponectinによる結石抑制遺伝子の同定・解析は終了していない。今後、解析ソフトを用いて行う予定であり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究1:APNによる結石抑制効果の検討】 前年度に引き続き、ob/obマウスの繁殖とともに、GOXを投与しMetSおよびその環境と結石形成について検討していく。さらに、GOX投与日数、投与後の腎摘出時間を調節することにより結石形成初期における結石形成量、形態、アディポサイトカインの経日的変化を評価する。 【研究2:マイクロアレイ解析による結石形成機序とAPNによる結石抑制機序の解明】 adiponectinによる結石抑制遺伝子の同定・解析を結石関連遺伝子の同定・解析と同様にマイクロアレイ解析ソフトを用いて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイ解析の中には様々な解析手法があり、その解析には膨大なdataが含まれる。特に、adiponectinの抑制効果を検討するには、MetS、グリオキシル酸投与、結石形成の影響を除外する必要がある。膨大なdataを解析を詳細に整理し検討するための解析費用や実験の補助の人件費が必要になる。 得た結果を発表するための論文投稿料、英文校正費が必要である。さらに国内外の学会発表の費用にも使用する。
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Research Products
(5 results)