2013 Fiscal Year Research-status Report
腎結石とメタボリックシンドロームに係わる遺伝子の同定と再発予防への応用
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24791661
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢内 良昌 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40468252)
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Keywords | メタボリックシンドローム / ob/ob / 腎結石 / マイクロアレイ解析 / Gene ontology解析 / adiponectin |
Research Abstract |
【研究1:APNによる結石抑制効果の検討】 wild typeは結石形成を認めなかったが、ob/obは結石形成を認めた(p=0.0004)。また、APN投与により結石形成の抑制を認めた(p=0.005)。血清、尿中の結石関連物質はグリオキシル酸投与前後、wld typeとob/obとの間に有意差はなかった(p>0.05)。 【研究2:マイクロアレイ解析による結石形成機序とAPNによる結石抑制機序の解明】 メタボリックシンドロームによる腎結石形成の促進関連遺伝子として243の遺伝子が発現低下し、259の遺伝子が発現増加していた。これらの遺伝子の中で、特に発現の変化が著しかったのは、Cd44(CD44)、Lysozyme 1; Lyz1(LYZ1)とVcam1(VCAM1)の増加(Fold change:13.15、15.48、17.64)とSolute carrier family 12, member 1; Slc12a1(SLC12A1)とSolute carrier family 7, member 13; Slc7a13 (SLC7A13)の低下(Fold change:0.174、0.220)であった。これらのGO解析では、細胞接着、炎症、免疫応答の亢進とミトコンドリア機能の低下を示した。APNによる腎結石形成の抑制関連遺伝子として154の遺伝子が発現低下し、190の遺伝子が発現増加していた。これらの遺伝子の中で、特に発現の変化が著しかったのは、Aurora kinase A; Aurka(AURKA)およびThymidine kinase 1; Tk1(TK1)の増加(Fold change:3.065、2.823)とsignal transducer and activator of transcription 3; Stat3(STAT3)の低下(Fold change:0.341)であった。これらのGO解析では、抗炎症作用と抗アポトーシス作用を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロアレイ解析において、解析ソフトによりob/obマウスにおける結石関連遺伝子の同定とアディポネクチンによる結石抑制関連遺伝子を同定した。Gene ontology解析も終了しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、結石形成初期における結石形成量、形態と同定された遺伝子の経日的変化を評価する。次年度の研究費の使用計画として、膨大なdataの解析を詳細に整理し検討するための解析費用や実験の補助のための人件費が必要になる。また、得た結果を発表するための論文投稿料、英文校正費が必要である。さらに国内外の学会発表の費用にも使用する。
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