2013 Fiscal Year Research-status Report
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24791674
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 秀行 東邦大学, 医学部, 講師 (10408875)
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Keywords | iPS / mini-pig |
Research Abstract |
これまでのミニブタに比べて小型化したマイクロミニブタが最近、開発され、さまざまな実験に用いられている。特に、マウスやラットなどのげっ歯類に比べて、高等な動物である。よりヒトに近い性質を持ち合わせており、研究成果がそのまま、ヒトに応用できる可能性を秘めている。このマイクロミニブタを用いた幹細胞の研究を積極的に行っている。 全身麻酔下のマイクロミニブタの皮膚を採取し、繊維芽細胞を樹立した。生後9か月のオスおよびメスの個体を用いた。 マイクロミニブタ由来繊維芽細胞にセンダイウイルスを用いて、iPS細胞の誘導に必要な、KLF4, OCT4, SOX2, C-MYCを導入した。数日間は、通常の培養法で培養し、6日目あたりで、マウス胎児繊維芽細胞上のまきなおし、ヒトES細胞と同様の条件方法で培養を行った。21日過ぎより、円形で扁平状のコロニーが出現し、30日くらいで、コロニーをピックアップし、別のマウス胎児繊維芽細胞のシャーレに移した。ヒトES細胞条件で培養を続け、マイクロミニブタiPS細胞を樹立した。オスおよびメスからiPS細胞に成功した。導入した遺伝子の消失をRT-PCRにて確認した。また、In vitroでの三胚葉の分化を確認し、多能性を証明した。 生殖細胞への分化を目標としているが、まずは、組織分化の検討で、心筋細胞への分化を試みた。ヒトiPS細胞における心筋細胞への分化と同様の方法で、誘導を試みた。しかし、マイクロミニブタiPS細胞から、拍動する心筋細胞の誘導はみられなかった。ヒトとの違いによるものが誘導できなかった原因かどうか検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心筋細胞への分化を成功させ、生殖細胞への分化に取り組むつもりで検討していたが、心筋細胞への分化がうまくいかず、現在、検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロミニブタiPS細胞から心筋細胞への分化を誘導することと、生殖細胞への分化を同時に試みる。生殖細胞に発現している遺伝子を導入する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は、当初の予定であった生殖細胞への分化まで実験が進まなかったため、未使用金が生じた。次年度繰越金60万円とH26年度助成金110万円の合計170万円である。 マイクロミニブタiPS細胞の誘導および心筋細胞と生殖細胞への分化誘導に取り組む。 試薬などの物品などに(140万円)や、学会参加の旅費に(30万円)使用する予定である。
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