2013 Fiscal Year Annual Research Report
c-Met遺伝子機能解析による子宮体部漿液性腺癌に対する新たな分子標的薬開発
Project/Area Number |
24791679
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹野 純香 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (60509595)
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Keywords | 癌 / 子宮体癌 / 漿液性腺癌 / 分子標的治療 / MET |
Research Abstract |
本研究は、オンコジーンであるc-Met遺伝子が子宮体部漿液性腺癌(漿液性腺癌)においても癌の進展に寄与し、その阻害剤が分子標的治療薬に応用できるのではないかと考えられる。昨年までにc-Met遺伝子は臨床検体においてその発現が上昇することが分かった。 本年度では、漿液性腺癌でのc-Met遺伝子の機能を明らかにするために、漿液性腺癌由来細胞株であるUSPC-1細胞にc-Met遺伝子のsiRNAによってのダウンレギュレーションを行い、それらの細胞の機能の解析を行った。 漿液性腺癌細胞株におけるc-Met遺伝子の機能解析:昨年までに作成したsiRNAを用いて漿液性腺癌細胞株におけるc-Met遺伝子を抑制の機能解析を行った。WST-assayによりsiRNA導入群で対照群に比較し顕著に細胞増殖能を抑制することがわかった。またFACSによる細胞周期の解析では導入群においてG1期の細胞が増加(対照:39.9%、導入:50.4%)し、G1アレストを誘導することが確認され、subG1期の細胞も増加(対照:3.1%、導入:7.1%)した。またFACSでのAnnexin-V陽性細胞の解析では導入群において陽性細胞数の上昇(対照:3.5%、導入:6.3%)が確認された。さらにBoyden chamberを用いたmigration-assayでは遊走細胞数は導入群で有意に減少(52.1%、p=0.0016)した。 以上より、漿液性腺癌細胞にいてc-Met遺伝子の発現抑制は細胞増殖の抑制および細胞周期の停滞、アポトーシス誘導、遊走能の減少を引き起こすことが分かった。このことから癌細胞ではc-Met遺伝子の発現亢進が癌細胞の進展に影響していると示唆された。
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