2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791687
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉野 修 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (00466757)
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Keywords | ブラジキニン / 子宮内膜症 / 疼痛 |
Research Abstract |
子宮内膜症を有する患者の腹腔内環境は向炎症性サイトカインやケモカインが上昇していることから、子宮内膜症は炎症性疾患として捉えられている。そこで培養子宮内膜症細胞にIL-1beta、TNF-alpha刺激により誘導される因子の解析を網羅的に行ったところ、ブラジキニン受容体( I型およびII型)が著明に誘導され、またその誘導された受容体はfunctionalであることを見出した。具体的には、炎症性サイトカイン指摘で誘導されたブラジキニン受容体は、外的投与のブラジキニン刺激により、IL-6やCOX-2 mRNA発現が上昇した。このブラジキニン刺激によるIL-6およびCOX-2 mRNA誘導は、ブラジキニン受容体拮抗薬にて阻害された。 また、実際に、ヒト子宮内膜症病変でブラジキニン受容体が発現していることも認めた。 ブラジキニンは生体内でもっとも強い「発痛物質」であり、NSAIDs の対象物質であるプロスタグランジンよりも発痛作用は格段に強いことが知られている。最近ブラジキニン受容体の拮抗薬icatibantが遺伝性血管性浮腫に対して有効であるとの臨床治験の報告があり(Cicardi et al. N Engl J Med. 2010)、今後、ブラジキニン受容体に対する拮抗薬が臨床応用される可能性が高いと予想される。
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Research Products
(9 results)