2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌センチネルリンパ節ナビゲーション手術におけるリンパ節微小転移の検索
Project/Area Number |
24791693
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西野 幸治 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70447598)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / センチネルリンパ節 / 微小転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
計7例の子宮頸癌症例から文書同意を取得し、本研究の解析対象とした。7例中5例(71.4%) で色素法によるセンチネルリンパ節(SN)の同定に成功した(ラジオアイソトープ(RI)法については施設RI取扱い状況により今回実施できず、色素法単独とした)。同定が不可能であったのは、複数の骨盤内リンパ節転移が画像上強く疑われ、術前化学療法後の広汎子宮全摘術による摘出物病理診断でpN0であったIIB期症例と、乳癌に対する色素法SN生検後、同時に広汎子宮全摘術を行ったIB1期症例であった。同定したSNは5症例で計9個、1症例あたり1~3個(平均1.8個)であり、すべて外腸骨節と閉鎖節に存在した。 病理学的に、5例中2例(40%)でリンパ節転移が確認された。2例ともSN転移のみで他の骨盤リンパ節転移や微小転移は確認されなかった。SN転移陰性で、他の骨盤リンパ節転移を認めた症例(偽陰性例)は存在しなかった。 分子生物学的検索では、RT-PCRにより病理学的転移陽性であった2個のSNはともにサイトケラチンの増幅が確認され、逆に病理学的転移陰性のリンパ節についてはすべてで増幅が見られず、RT-PCRのみで転移陽性と診断しうるリンパ節は存在しなかった。 今回の検討ではSN以外のリンパ節転移を有する症例がみられず、SN生検の感度等の評価はできなかったが、少なくとも偽陰性例は存在せず陰性的中率は100%(3/3)であった。また、リンパ節微小転移症例が存在せず、その検出におけるRT-PCRの有効性の検証が行えなかったが、本研究において、本手法は少なくとも病理学的検査と同様にリンパ節転移の検出が可能であることが証明された。病理学的に確認困難な微小転移のRT-PCRでの検出は理論上可能かつ高い期待が持たれており、今後のさらなる症例集積によって、RT-PCRと病理学的アプローチ、それぞれによる微小転移の検出率やその差異を検討する意義があると思われる。
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