2014 Fiscal Year Annual Research Report
周産期脳障害の病態解明と新規治療戦略 ~分子状水素に着目して~
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24791697
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
眞野 由紀雄 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30437024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 産婦人科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、未だ有効な予防法も治療法も確立されていない周産期脳障害に対する新たな治療法の確立を目指し、成人脳梗塞動物モデルで画期的な治療効果を認めた分子状水素に着目し、これを経母体的に投与することにより新生児脳障害の発症への予防的、治療的効果を検証するものである。 妊娠ラットの子宮動静脈を妊娠16.5日目に30分間遮断し虚血後、解除し再灌流させることで胎仔へ酸化ストレスに起因する脳障害を発生させる。開腹のみのsham群、虚血・再灌流群(I/R群)、および虚血・再灌流前から分娩まで水素水(HW)を自由飲水させた水素水投与群(HW群)の3群で検討した。 1.胎盤及び仔脳についてホルマリン固定切片を作成し、ヘマトキシリンエオジン(HE)染色、酸化ストレスマーカーの免疫染色にて細胞傷害、マーカーの発現変化を検討した。日齢7でのI/R群の新生仔脳において、海馬神経細胞の変性を認めた。HW群においては、sham群と同程度まで改善した。酸化ストレスマーカーも同様に、I/R群で高発現を認め、HW群ではsham群と同程度であった。2.海馬の障害を検討するため、行動実験としてMorris水迷路実験を行った。I/R群はsham群と比べ、学習能力の遅延を認めたが、HW群はsham群と同程度に学習能力の改善を認めた。3.ガスクロマトグラフィーを用いて、胎盤、胎仔における水素濃度を測定したところ、HW投与により組織中水素濃度の上昇を認めた。 本年度は、胎内における海馬および体組織での細胞傷害および酸化ストレスマーカーの発現を検討した。上記3群にて、妊娠20.5日に帝王切開を行い、仔頭部およびそれ以外の全身にてホルマリン固定切片を作成し、HE染色および酸化ストレスマーカーの免疫染色を行った。新生仔脳と同様に、I/R群において、海馬神経細胞の変性を認め、HW群において、sham群と同程度まで改善した。
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Research Products
(2 results)