2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスクHPV型のタンパクを標的とした新たな分子標的治療に関する基礎的検討
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24791719
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 暁子 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (70383883)
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Keywords | HPV |
Research Abstract |
昨年度、遺伝子導入効率の安定化および将来的な動物実験への投与を考慮してIgGシグナルペプチド(ss)-antenapedia 由来の細胞膜移行シグナル(Atp)-E7由来myc結合ペプチド(MycB)-E7由来Rb結合ペプチド(RbB)-5量体化COMPドメインペプチド(COMP)-6xHisタグおよび各種欠失体を発現する組換えアデノウィルスベクターの作製を試み、ss-Atp-MycB-RbB-COMP, ss-Atp-MycB-COMP, ss-Atp-MycB-RbB-COMPの作製に至った。また、HPVE6タンパク質には細胞内タンパクに対する結合ドメインが明らかになっていないため、高次構造予測から重複する5つの領域に分断し、ss-Atp-MycB-RbB-COMPのAtpとMycB間に組み込んだ遺伝子を作製し、アデノウィルスへの組み込みを行い、これらのウィルスを3種の子宮頸癌細胞(HPV18陽性HeLa細胞、HPV16陽性CaSki細胞、HPV陰性C33a細胞)と陰性対照のヒト子宮外陰部上皮癌由来のA431細胞に感染させ、細胞障害性を検討した。その結果、HeLa細胞には全てのウィルスで傷害性が認められ、A431細胞には調べた3種のウィルスでは影響が観察されなかった。 ss-Atp-MycB-RbB-COMPという構成で、HPV陽性細胞への細胞障害性を確認出来たため、ウィルス力価を揃えて定量的な評価を行う準備をすすめた。定量評価を行う際には各種ウィルスまた感染させるセルラインによっても感染力が異なる可能性を鑑み、βgal染色を予定した。またより不要な領域を検討すべくAtp、MycB、RbBを含まない構成ペプチドを発現するアデノウィルスを作製中で、今後HPV18E6タンパクのある領域を短くしたものを発現する組換えアデノウィルスを作製する予定である。
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