2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791736
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野村 研一郎 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00466484)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 喉頭麻痺 / 反回神経麻痺 / 機能的電気刺激 / 神経過誤支配 |
Research Abstract |
一側喉頭麻痺による発声障害の治療は主に声 帯内注入術、甲状軟骨形成術I型、披裂軟骨内転術が行われている。これらの治療法は麻痺側の声帯を正中位に矯正することが目的となる。近年の研究により、喉頭は麻痺側であってもその内喉頭筋にはある程度の神経支配が高率に残存していることが明らかとなっている。したがって、麻痺側の甲状披裂筋(内筋)に適正なタイミングで筋収縮を誘発するような電気刺激を加えることができれば、声帯が内転し発声障害を改善することができると考えられる。我々は今までに機能的電気刺激(FES)を用いた声帯の再運動化に関する研究を行ってきた。そこで、本研究では声門閉鎖筋を刺激するための新しい形状の電極を考案し、その有効性について実験動物を用いて検討した。 実験にはビーグル犬4頭を用いた。全身麻酔後に前頸部を切開し甲状軟骨を露出した。甲状軟骨に甲状軟骨形成術I型と同様に声帯の高さで開窓を行った。埋め込み電極は 直径1mmの電極を8個有する縦8mm、横10mm、厚さ1mmのシリコン板を用いた。これを開窓部に留置し、刺激パラメーターは周波数40Hzで、パルス幅を0.5ms、1msの2つの条件で、刺激強度を変化させた。喉頭の観察は経口的に内視鏡で行い、それぞれのチャンネルを介した電気刺激による声帯の位置を評価した。初めに反回神経を切断していない状態で、刺激により声帯の内転が誘発可能である事を確認した。その後、反回神経を切断した脱神経群と切断後に吻合した再支配群を2頭ずつ作成した。実験は神経切断後4ヶ月後に行った。その結果、再支配群の方がより低い刺激強度で大きな声帯の内転を誘発する事が可能であった。脱神経群では高い刺激強度で声帯の内転がわずかに誘発された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で国内学会、国際学会で成果を現在までの発表することが可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度はイヌを用いてprimitiveな刺激電極を使用して実験を行った。今後はより臨床応用に近づくために、ヒトへの応用が可能な刺激装置を用いることを目標としている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な使用目的は、刺激装置の購入費、開発費となることが想定される。
|
Research Products
(4 results)