2012 Fiscal Year Research-status Report
新規標的分子を介した炎症性鼻疾患に対する治療法の開発
Project/Area Number |
24791742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石田 晃弘 山形大学, 医学部, 助教 (00361246)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / ペンドリン / ペリオスチン |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎などの疾患は上気道の一部である鼻粘膜の慢性炎症である。これらの疾患の病態として過剰な粘液産生と粘膜浮腫があり様々な分子が関与している。この詳細な機序については不明な点が多いなかで、次に示すpendrinとperiostinの直接的関与が注目され始めている。ヒト鼻粘膜細胞および気道上皮細胞の細胞株でのpendrin及びperiostin発現について解析を行った。細胞株をIL-13で刺激するとpendrin及びperiostin発現量が増加する傾向を認めた。また今回の研究で組織中のperiostin量だけでなく血清中のperiostin濃度も測定可能であることが明らかになったため臨床検体を用いた検討も行った。 健常者66例の血清中のperiostin r量をElIZA法にて測定し、慢性副鼻腔炎患者60例の血清中periostin濃度と比較した。慢性副鼻腔炎患者ではperiostin濃度が有意に上昇していた。各患者の鼻内所見(ポリープの有無)、CT所見、アレルギー性鼻炎合併の有無、好酸球数、ECP濃度を測定し、血清periostin量との相関を検討した。鼻内ポリープ多発症例や嗅覚障害合併症例では臨床症状とperiostin濃度との相関関係が認められた。また、血清中のperiostinは好酸球数、血清中ECP濃度と強い相関関係が認められた。血清中のperiostinは慢性副鼻腔炎の疾患活動性や重症度のバイオマーカーとして利用可能であり、治療の標的分子として利用可能であることが明らかになった。血清中のperiostin濃度の測定については特許出願予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞レベルの解析と並行して臨床検体を用いた解析を行っており順調に計画を遂行している。実験機器や試薬等については既存のものを有効に利用できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、細胞レベルでの実験を進めていく。同時に臨床検体を用いた解析も同時に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は既存の機器および試薬の利用が可能であったが、平成25年度には大部分の試薬が不足するため効率的に購入計画を行う。成果発表として国際学会への参加を予定している。
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Research Products
(4 results)