2014 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連疾患における耳鼻咽喉科領域からの病態解析アプローチ
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24791760
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中西 清香 金沢大学, 大学病院, 医員 (40532180)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 嗅覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患患者の鼻副鼻腔組織に対し引き続きEBERsの局在をin situ ハイブリダイゼーションを用いて検討したが、10例中1例のみであった。当初はEBVの関与を検討するため実験をすすめていたが、結果的には関与するとは言い難いという結果であった。そこで、平成24年度において明確となった嗅覚障害について、さらに調査をすすめることとした。モデルマウスを入手したことから、その組織学的行動学的な裏付けを得るべく、検討をすすめた。、IgG4 関連疾患モデルマウスと野生型マウスにおいて嗅刺激性行動実験を行った。結果、野生型は全例で正答率100%であった一方、モデルマウスでは18%で正答率100%を認めるのみであった。モデルマウスでは野生型と比較し,有意に正答率が低かった。嗅上皮を組織学的に検討し厚さの比較を行ったところ、モデルマウスでは野生型と比較し優位に厚さの変化を認めた。また、成熟嗅神経細胞のマーカーであるOMPと幼弱な神経細胞のマーカーであるGAP43の免疫染色を行ったところ、モデルマウスでは野生型と比較し、どちらも陽性細胞数が優位に少なかった。その他、IgG4関連疾患に特異的な所見である繊維化や形質細胞浸潤、閉塞性静脈炎などの所見は認めず、非特異的な変化のみであった。この結果により、嗅粘膜においては、直接の障害が起こっているというよりもターンオーバーが障害されていると考えられた。
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