2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌幹細胞を用いた放射線・抗癌剤耐性の機序解明
Project/Area Number |
24791773
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福角 隆仁 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70623734)
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Keywords | 癌幹細胞 / CD10 / 頭頸部扁平上皮癌 / 抗癌剤耐性 / 放射線耐性 / 細胞周期 / 抗体アレイ |
Research Abstract |
本研究を進めるにあたり、Becton Dickinson社のLyoPlateという測定機器を使用した。LyoPlateは対象細胞に対してフローサイトメトリーを用いCD1a~CD340,EGFR,SSEAなどの251種類の細胞表面抗原の発現を同時に比較検討できる新しい機器である。頭頸部癌細胞株3種を用い、LyoPlateにて通常培養と放射線照射細胞、cisplatin投与細胞での比較を行った結果、4種類の細胞表面抗原において放射線照射細胞、cisplatin投与細胞での発現上昇を認めた。次にcisplatin耐性株を樹立し、親株との発現の比較を行った。結果、前述の4種類の細胞表面抗原のうち、CD10のみcisplatin耐性株で発現の上昇を認めた。以降、CD10を対象を絞り検討を継続した。CD10陽性細胞は、CD10陰性細胞に比較してcisplatin耐性、5-FU耐性、放射線耐性を持ち、スフェア形成能や造腫瘍能が高い事が判明した。またCD10陽性細胞は、細胞周期においてG0/G1期にあるものが多くslow cell cycleまたはdomantである事が分かった。また、未分化遺伝子の1つであるOCT3/4の発現もCD10陽性細胞で高い事が判明した。頭頸部癌幹細胞マーカーは既存の報告ではCD44,CD133,ALDH1などが挙げられるが、CD10陽性細胞はCD10陰性細胞に比較してALDH1の発現が高い事も判明した。以上の結果より本研究でCD10陽性細胞は様々な癌幹細胞の特徴を有する事が分かり、CD10は頭頸部扁平上皮癌の新規癌幹細胞マーカーになる事が示された。以上の結果をもとに現在海外科学雑誌への論文投稿を行っている状態である。
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Research Products
(1 results)