2013 Fiscal Year Research-status Report
ポリアルギニンを用いたタンパク質導入法による内耳性難聴の治療
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24791788
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高村 惇 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (60623973)
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Keywords | protein / 内耳 / 正円窓 |
Research Abstract |
本研究はポリアルギニン(9R)を用いたタンパク質導入による内耳性難聴の治療法の開発を最終目的としている。9R-PTDは作成が容易で安全なベクターであることが知られており、当教室三輪もマウス耳胞に対してEGFP-9Rの投与を行い、その有効性と安全性について過去に報告している(Neuroreport)。 平成24年度には、EGFPとEGFP-9R(マーカーであるEGFPに9Rを付加してある)を用いて、単回投与の導入効率と安全性について検討を行った。方法は、それぞれのタンパク質を染みこませたスポンゼルを中耳正円窓に留置し、時間経過毎に蝸牛を摘出し評価を行った。処置後12時間から24時間をピークに蝸牛内にタンパク質の発現を認め、Labelling Indexという手法を用いて蛍光強度を測定した。また、平成25年度にはEGFP-9Rの2回投与の有効性の検討を行った。2回投与で発現持続時間の延長を認めた。また、処置後28日目の内耳障害の有無を調べるために聴性脳幹反応、前庭機能検査、形態学的調査を行い、術後に内耳障害がないことを示した。 ここで、抗アポトーシス因子の投与により内耳傷害の発生が抑制されることがこれまでに報告されている。そこで本研究においては抗アポトーシス因子の一つであるX-linked Inh ibitor of Apoptosis Proteins(XIAP)を用いて研究を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りEGFPの投与、EGFP-9Rの単回投与、EGFP-9Rの2回投与はすべて終わった。それぞれの内耳内へのタンパク質の発現の有無を時系列で行い、免疫染色を用いて評価をした。両群とも28日後に聴覚評価、前庭機能評価、形態学的評価をすべて行った。これで、EGFP-9Rの内耳内導入効率を確認する実験系はほぼ終了している。現在、追加実験として中耳正円窓膜の厚さを調べているところである
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Strategy for Future Research Activity |
EGFP-XIAP-9R投与による内耳保護効果に関して検討を行う。また、難聴モデル動物を用いてEGFP-XIAP-9Rを投与することによる治療効果について検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実務に必要な資材の購入が予定より、一部遅れた為。 上記の資材は、平成26年度早期に購入・搬入・納入予定である。
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Research Products
(1 results)