2013 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球性副鼻腔炎におけるロイコトリエン受容体変異と難治性に関する研究
Project/Area Number |
24791791
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大堀 純一郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90507162)
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Keywords | 好酸球 / 上皮 / VEGF / ロイコトリエン |
Research Abstract |
本研究は、好酸球の発現するロイコトリエン2型受容体(CysLT2R)に着目し、CysLT2Rの好酸球性副鼻腔炎への関与を明らかにすることを目的とした。昨年度①鼻茸組織中に好酸球浸潤が多いサンプルの方が、CysLT2Rの発現が強い。②鼻茸由来上皮細胞においてRT-PCRによる解析ではCysLT1R、CysLT2Rの両者にmRNAの発現の差を認めない。③鼻茸由来上皮細胞にVEGF刺激を加えると、VEGF receptorの発現が亢進し、VEGF産生が増強される。という3点が明らかになった。本年度は、上皮細胞と好酸球の相互作用を検討することを主な目的として①好酸球における各種刺激に対するVEGF産生更新作用を明らかにする。②上皮細胞と好酸球を共培養した際に起こる反応について明らかにする。の2点について研究を行った。①に関しては、好酸球のcell lineであるEol-1を用いて、各種刺激に対するVEGF産生を検討した。まずEol-1におけるロイコトリエン受容体の発現を確認し、Eol-1にはロイコトリエンレセプターの1と2の両方が発現しており、特にLTRR2の発現が強いことを確認した。さらにEol-1にLTD4とGM-CSFの共刺激を行うと優位にVEGF産生が亢進した。②に関しては、HNEpCとEol-1での共培養にて検討を行った。まず共培養においては培養液中にVEGF非常に多く産生されており、その産生源としてEol-1が産生するVEGFがメインとなっていることが考えられた。本年度の研究において、VEGFの産生細胞である好酸球と上皮細胞からのVEGF産生メカニズムの一部を検討することができた。当初の目標であった好酸球と上皮細胞の相互作用を解明するには至らなかったが、今後の礎となる結果を得られた。今後共培養でのVEGFの産生をいかにブロックするかに焦点を当てて、検討を行う必要がある。
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