2014 Fiscal Year Annual Research Report
濾胞ヘルパーT細胞を介したIgE産生のマスタープランとその抑制経路の研究
Project/Area Number |
24791793
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
関 伸彦 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30404693)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 濾胞ヘルパー T 細胞 / 免疫アレルギー疾患 / IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
濾胞ヘルパー T 細胞(Tfh 細胞)はリンパ濾胞胚中心の形成を促して抗原特異的な抗体産生を調節し,免疫アレルギー疾患との関連が注目されているが,マウスモデルを用いた機能解析の報告が多く,ヒト Tfh 細胞の機能的特徴,抗原特異的抗体産生における意義については不明である. 本研究では,手術で得られた扁桃組織からTfh 細胞,胸腺組織からナイーブ CD4+ T 細胞を単離した.それぞれの細胞から抽出したRNAを用いて,各々のトランスクリプトームを比較検討し,642 遺伝子を抽出した.その中に,B 細胞分化や特異的抗体産生に与る B-cell-specific octamer binding protein 1(BOB1)を認め,BOB1 は Tfh 細胞に特異的に高発現しており,その他のエフェクターヘルパー T 細胞には発現していないことを確認した. また,アレルギー性鼻炎患者と健常者の末梢血からリンパ球を分離し,フローサイトメトリーにてリンパ球サブセットを解析し,さらに Tfh 細胞サブセット解析を行った.アレルギー性鼻炎群と健常群で,末梢血中の Tfh 細胞の割合に有意差を認めなかったが,Tfh サブセット解析においては,アレルギー性鼻炎群では,コントロール群と比較して total Tfh 細胞に占める Tfh2 細胞の割合が有意に増加していた. 今後 BOB1 に着目した Tfh 細胞の機能解析を行うことにより,Tfh 細胞を介した免疫アレルギー疾患の新たな病態解明が期待される.また,Tfh2 細胞は B 細胞,形質細胞からの IgE 抗体産生を特異的に制御することことを考えると,Tfh2 細胞がアレルギー性鼻炎の発症に関与している可能性があり,Tfh2 増加機構の解明はアレルギー発症予防に応用されよう.
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[Journal Article] Alteration of circulating type 2 follicular helper T cells and regulatory B cells underlies the comorbid association of allergic rhinitis with bronchial asthma2015
Author(s)
Kamekura R, Shigehara K, Miyajima S, Jitsukawa S, Kawata K, Yamashita K, Nagaya T, Kumagai A, Sato A, Matsumiya H, Ogasawara N, Seki N, Takano K, Kokai Y, Takahashi H, Himi T, Ichimiya S
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Journal Title
Clinical Immunology
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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