2012 Fiscal Year Research-status Report
喉頭、気管ケミカルメディエーター受容体発現の日内変動の解析
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24791798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
板東 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50433272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 喉頭 / アクアポリン / ケミカルメディエーター / ブラジキニン / 日内変動 |
Research Abstract |
声帯粘膜におけるケミカルメディエーター受容体発現を免疫組織化学法にて調べるためにマウス喉頭気管を灌流固定後に摘出し、切片を作成し免疫組織化学法に供した。一次抗体に抗bradykinin B1, B2受容体抗体を二次抗体にFITC標識抗体を用いた。マウス声帯上皮にいずれの受容体も発現することが確認された。発現の日内変動を調べるために2点(CT4とCT16、各n=3)におけるサンプル採取を行い発現の比較を行った結果、軽度の昼夜差が認められたが、現時点では有意差は認められていない。 また水分子チャンネルアクアポリン(AQP)の発現についても同様の検討を行った。AQP1、AQP5が声帯粘膜に発現することから両者についてCT4、CT16での比較を行った結果CT16におけるAQP5の発現が喉頭腺において増加するとの結果を得た。現在この結果を確認するためにrealtime-PCRを用いてmRNA量の定量を行っている。 ヒト声帯粘膜におけるAQP発現についても手術における切除標本を用いて発現解析を行ったところ、正常粘膜では声帯重層扁平上皮にAQP5が粘膜固有層の毛細血管の内皮細胞にAQP1の発現を認めた。AQP5の発現は声帯ポリープ(3例)、ポリープ様声帯(5例)などの病変部では消失することも確認している。AQP1の発現はポリープ様声帯において2例において血管増生に伴う高発現を認めたが、他の3例では変化を認めなかった。この結果はエジプトのルクソールで行われた5th International Conference of World Voice Consortiumでのシンポジウムで口演報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
喉頭粘膜におけるbradikynin受容体、アクアポリンの発現を同定し、一定の日内変動の傾向をつかんでいるものの、有意差を確認できるまでには至っていない。しかし今後のmRNA量の定量についても見通しが立っており予定通りの進行と考える。またアクアポリンのヒト声帯粘膜における発現については学会報告に引き続き国際誌への投稿準備中であり、今年度前半に投稿できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト声帯粘膜におけるアクアポリン発現に関する論文を現在投稿準備中で本年度中に投稿する。 マウス喉頭粘膜におけるBradykinin受容体発現をmRNAレベルで解析を行いまずCT4と16さらにCT0,4,8,12,16,20の6点における発現変動についても検討する。さらにヒスタミン受容体、ロイコトリエン受容体についても順次解析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
喉頭からのRNA採取、realtime-PCRに使用する試薬類(プライマー、酵素類など)に約40万円 免疫組織化学法(ヒスタミン受容体などの抗体)に用いる試薬類に20万円 動物(マウス、ラット)に15万円 旅費、英文校正、投稿料などに25万円
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