2014 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭、気管ケミカルメディエーター受容体発現の日内変動の解析
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24791798
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
板東 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50433272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブラジキニン受容体 / 喉頭侵害受容 / 節状神経節 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット喉頭におけるブラジキニン受容体の発現を免疫組織化学法にて検討した。 上皮では声門上、声門下は呼吸上皮を中心にB1およびB2受容体の発現を認めた。特に線毛上皮において強く発現する傾向が認められた。粘膜固有層の血管、漿液腺にも発現は認められた。気管上皮においては陽性細胞数の比率が声門下と比べて低く、浮腫形成、分泌など炎症反応の差に関連している可能性が示唆された。声門においては声帯膜様部の扁平上皮には発現せず、移行部の多列円柱上皮において最表層の細胞にのみ発現が認められた。声門下の粘膜下にはB1, B2陽性神経線維が存在し、感覚神経節である節状神経節には多くの陽性細胞が認めまれた。コレラトキシンBをトレーサーとして上喉頭神経より浸漬したところ、節状神経節の陽性細胞はB1, B2陽性であり、喉頭の侵害刺激に対する感覚を担っていると考えられる。日内変動について調べるためにZT4およびZT16の2点でサンプルを採取し、発現の差を調べたが、粘膜、神経節ともに優位な日内変動は認めないことが判明した。また神経切断による発現の変化を調べるために片側の迷走神経切断を行った。2-4週後で発現の変化を調べたが、上皮、神経節ともに左右差は認めなかった。現在加齢モデルにおける発現の変化を解析中である。ブラジキニン受容体は喉頭の侵害受容、炎症反応の形成に重要であることが示唆されたが、疾患や加齢における変化については今後引き続き検討を行っていく必要がある。
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