2012 Fiscal Year Research-status Report
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24791816
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大淵 豊明 産業医科大学, 医学部, 助教 (00412651)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | pannexin channel |
Research Abstract |
本研究は、嗅球におけるバゾプレッシン含有細胞の、さまざまなイオンチャネルや膜蛋白の発現/機能を中心に、その分子生理学的性質の解明を目的とした。まず、嗅裂へ連続する鼻腔粘膜細胞におけるPannexin channelの発現の有無に着目した。Pannexin channelはGap結合蛋白として同定され、細胞外にATPなどの情報伝達物質を放出することにより、自己分泌/傍分泌に関与していると考えられている。哺乳類におけるPannexin channelは、Pannexin-1, Pannexin-2, Pannexin-3の3種のサブユニットが同定されている。我々は既に視床下部視索上核のバゾプレッシンニューロンでPannexin-1 channelが機能的に発現している可能性を示している。 ラット鼻中隔粘膜を採取し、RT-PCR法および蛍光免疫組織化学的染色法を用いて、PannexinsのタンパクとmRNAの発現を調べた。その結果、RT-PCR法において、ラット鼻中隔粘膜には、Pannexin-1, Pannexin-2, Pannexin-3すべてのmRNAが発現していることを見出した。また、蛍光免疫組織化学的染色法において、Pannexin-1タンパクに対する抗体に最も明瞭な蛍光反応を示した。以上より、ラット鼻腔粘膜において、Pannexin-1が有意に発現していることが分かった。この研究成果は米国科学誌"Allergy & Rhinology"に受理された。 今後は鼻腔粘膜に発現しているPannexin-1 channelが生理学的にどのような役割を担っているかの検討を続け、嗅球におけるバゾプレッシン含有細胞の分子生理学的性質の解明への発展を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鼻腔粘膜細胞における検討は進められているものの、嗅球におけるバゾプレッシン含有細胞での検討に至れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
鼻腔粘膜に発現しているPannexin-1 channelが生理学的にどのような役割を担っているかの検討を続ける。また、嗅球におけるバゾプレッシン含有細胞での検討を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
鼻腔粘膜に発現しているPannexin-1 channelが生理学的にどのような役割を担っているかの検討。また、嗅球におけるバゾプレッシン含有細胞を用いた検討。 Pannexin-1 channelの発現の有無の検討に専念したため繰越額が生じた。繰越額はPannexin-1 channelの生理学的意義の検討や嗅球での研究に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)