2012 Fiscal Year Research-status Report
白血球接着分子VAPー1阻害によるぶどう膜炎軽症化の検討
Project/Area Number |
24791825
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹本 裕子 北海道大学, 大学病院, 医員 (20443939)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | VAP-1 / ぶどう膜炎 / EAU |
Research Abstract |
研究実施計画に則り、ヒト内因性ぶどう膜炎モデルである実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)を惹起し、VAP-1 阻害薬を投与した。 マウスは6-7週齢 B10.BR マウスに視細胞間レチノイド結合蛋白由来合成ペプチド K2 200マイクログラムを結核菌増量完全フロインドアジュバントと混合してエマルジョンを作成し、皮下注射した。追加免疫として百日咳菌毒素0.1マイクログラムを静脈注射した。 VAP-1阻害薬は 1.0, 0.3, 0.1, 0.03 mg/kg(体重)を21日間連日腹腔内投与した。 しかし、ぶどう膜網膜炎の重症度が非投与群でも安定しなかった。調査の結果、以前安定的に用いていた生産者による B10.BR マウスの生産が中止されており、他の生産者による別の系統が販売されていた。 そこで改めてマウスを C57/BL6に変更して同様の実験を行った。ぶどう膜網膜炎は安定的に惹起されるようになった。VAP-1 阻害薬投与により、21日目(炎症極期)の組織学的重症度、臨床的重症度はともに軽症化する回としない回がみられた。臨床的重症度の途中経過をみると、10日目で薬剤投与群が 0.7、非投与群が 3.1、14日目で薬剤投与群が 1.3、非投与群が 3.1 といずれも薬剤投与群で有意に軽症化していた(P<0.01, P<0.05)。 VAP-1阻害薬は最高重症度には影響しないが発症速度を遅くする可能性もあり、再現性の確認が必要と考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの生産中止により当初予定した系統のマウスでは実験結果が安定しなかったが、系統を変更して対応した。現在はぶどう膜網膜炎が安定して惹起されている。しかし、薬剤の効果は顕著な回と有意差がみられない回がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスは今後 C57/BL6 を用いることとし、まずは複数回の実験を同じ条件下で試行して再現性を確認する。 再現性が確認できた段階で、抗原特異的T細胞増殖反応、炎症性サイトカイン等の検討へと段階を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き実験用小動物、薬剤、抗原ペプチドなど消耗品が主体である。
|
Research Products
(13 results)