2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791833
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
村山 奈美枝 岩手大学, 工学部, 学術研究員 (60597516)
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Keywords | 眼生理 / パッチクランプ |
Research Abstract |
クラミドモナス由来チャネルロドプシン-2(ChR2)は、感受波長が青色に限定される。本研究は新たに変異型チャネルロドプシンを作製し、光特性を明らかにすることを目的とした。 ボルボックスより見出された赤方型チャネルロドプシン(VChR1)は、その波長特性から視覚再建に有用と考えられるが、ChR2に比べ光反応性が悪く実用的ではない。そこでVChR1を基本に変異型チャネルロドプシン遺伝子を作製した(mVChR1)。 mVChR1遺伝子を恒常的に発現する細胞株を樹立し(HEK-mVChR1)、光反応性を測定したところ、VChR1に比べ約30倍高い反応が記録された。また、波長感受性では、450nmから600nmの幅広い波長光に応答し、ヒトの可視光を考えた場合、mVChR1は視覚再生に有用な遺伝子であると考えられた。遺伝盲ラットを用いた電気生理学、行動学的評価でも、パッチクランプ法で得られた結果と同様の反応が観察された。さらに、網膜内での光受容機構を詳細に解析するために、遺伝子導入した網膜のスライス標本を作製し、光刺激に伴う遺伝子導入細胞および非導入細胞の光刺激に伴う反応を記録することを試みた。しかしながら、ラット網膜スライス標本を維持することが困難で、現状では記録するに至っていない。引き続き、スライスパッチによる記録を試みるとともに、網膜伸展標本やラット以外の下等動物でのパッチクランプ法も検討し、失明網膜の光受容機構を調べる予定である。
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Research Products
(6 results)