2012 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病黄斑浮腫に対するポートフォリオシステムの構築
Project/Area Number |
24791834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 糖尿病黄斑浮腫 / 糖尿病網膜症 / ステロイド眼局所投与 |
Research Abstract |
山形大学医学部附属病院眼科外来に通院している糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema; DME)患者の視力、網膜厚、糖尿病網膜症の程度などの眼局所因子および高血圧症、血糖コントロール状態などの全身因子についてデータベースを作成し、眼科的治療による変化についての経過を観察している。 特に新しい治療法であるステロイド点眼薬による治療を行った患者について詳細に検討した。対象はDMEに対して新しいステロイド点眼薬である、ジフルプレドナート点眼薬を3か月間投与し、点眼終了後12か月まで経過観察した29例41眼(男性14例24眼、女性15例17眼)である。前治療の影響を除くため、点眼開始前3か月間はDMEにの治療歴はない。平均年齢は62.3歳、点眼開始時の平均logMAR視力は0.47、平均網膜厚は470.2マイクロメートルだった。点眼1クール後における視力、網膜厚を点眼開始時と比較した。視力は改善が9%、不変が86%、網膜厚は改善が37%、不変が54%だった。15か月間の平均視力推移に有意差はなく、視力は維持されていた。平均網膜厚は点眼期間中や15か月後の時点で有意に減少していた。点眼1クール後の追加治療内容は、追加治療なしが14眼、点眼治療を再施行が6眼、その他の治療が21眼だった。点眼治療のみで15か月間経過観察した20眼の15か月後の時点での視力は改善が30%、不変が70%、網膜厚は改善が75%、不変が25%だった。これらの結果から、41眼中、20眼ではジフルプレドナート点眼治療のみで15か月間経過観察可能であり、視力維持、網膜厚減少効果が認められたことがわかった。点眼治療有効例に関する全身因子、眼局所因子について検討したが、有意な関連のある因子は認められなかった。本検討からDMEに対する治療のひとつとしてジフルプレドナート点眼薬は有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当科外来に通院する糖尿病黄斑浮腫患者の眼局所因子(視力、網膜厚など)および全身因子(糖尿病罹病期間、合併症の有無など)、眼科的治療についてのデータベース作成を開始し、データ入力を進めている。眼科的治療の有効性について、特にステロイド点眼薬による治療の効果を中心に解析している。また、経過観察中に行った他治療の効果についても検証し治療の組み合わせの有効性について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
症例のデータベース作成を継続し、各治療法の有効性に関連する眼局所因子、全身因子の検索を行う。中でも新しい治療法であるステロイド点眼薬の治療効果を中心に長期効果および効果と関連する因子の検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年1月から産前産後休暇を取得し、研究を中断したことにより繰越額が発生した。 当該研究費については、平成25年度研究費と合わせてデータベース入力および統計処理に必要な物品の購入および学会等の旅費のために使用する予定だが、研究再開予定が平成26年3月のため、再開時に期間延長承認申請書を提出し、平成26年度まで研究計画を延長する予定である。
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Research Products
(6 results)