2012 Fiscal Year Research-status Report
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24791844
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鳴海 洋子 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (60523074)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 先天性白内障 / 家族性白内障 / 遺伝・先天異常学 |
Research Abstract |
先天性白内障家系のうち男性が精神遅滞を伴う家系において原因遺伝子探索、新規原因遺伝子単離を目的に、本年度はすでに解析を開始している一部罹患者のエキソーム解析データを新たな解析方法によってデータの再解析を行うと共に、家系内罹患者のうち未解析者に関して検体収集を行い、さらに家系内罹患者について新たな臨床情報収集および解析検討を行った。 新たな方法によりエキソーム解析のデータ解析を行ったところ、解析した3人で共通する遺伝子を数遺伝子まで絞り込むことができた。これらの遺伝子は既知遺伝子及び新規遺伝子を含んでおり、予想される遺伝形式はX連鎖、常染色体優性遺伝形式であった。 家系内未解析者のうち、計3名より研究協力が得られた為、唾液検体よりDNAを抽出した。3名のうち罹患者2名、非罹患者1名であった。抽出されたDNAを用いて、先の解析結果で得られた複数個の候補遺伝子変異についてシークエンス解析を行った。結果、非罹患者で陰性であり、かつ罹患者全てで変異が確認された遺伝子は1遺伝子同定された。本遺伝子は既知の白内障原因遺伝子であったが、変異部位はこれまで報告のない変異でありかつ一塩基多型(SNP)データベースに登録の無い塩基置換変異で、これによりアミノ酸が変化すると予測されている。 また、眼症状を主徴とする孤発例について、一部の既知変異がないことを遺伝子解析にて確認後、同様に網羅的遺伝子解析を実施したが、家系例とは異なる既知遺伝子内に新規遺伝子変異が同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で対象としている家族性先天白内障の原因遺伝子解析研究に関しては、まず対象としている家系内で先行してエキソーム解析を行った患者の解析が予定通り終了し、候補遺伝子を絞り込むことに成功した。また、他の家系(罹患、非罹患者)からも順調にサンプル収集を行い、候補遺伝子のシークエンス解析を完了した。さらに、家系内罹患者の新たな臨床症状収集により、本遺伝子の表現型について検討解析を行った。 今後は同定された変異が人種内で保有する多型である可能性について、健常人サンプルを用いて解析し、本変異が病因であるかをさらに解析、検討する予定であり、おおむね当初の計画の進行に従って研究が進展しているため、今後も計画通りに進めば本研究は予定通りに終了すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子より絞り込まれた新規遺伝子変異について健常日本人サンプルを用いた変異解析を行い、人種特異的な多型の可能性について検討する。 変異が同定されている家系内罹患者について臨床症状の収集と分析を行い、原因遺伝子の遺伝子型と表現型の相関を検討し、臨床像を明らかにすることを目指す。 また、先天性白内障家族例、孤発症例または家系内に先天性白内障発症者を含む家族性白内障新規家系例の検体を自施設および小児眼科専門医療施設に研究協力を依頼して検体を収集し、遺伝子解析を行う。本邦における遺伝子変異保有頻度について検討すると共に臨床像の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に予定していた罹患者DNAサンプルを増やしたエキソーム解析による候補遺伝子を絞り込みは、既に実施していたサンプルでのデータ解析が順調に進み候補遺伝子絞り込みが行えた為、当該解析に予定していた経費を平成25年度に繰り越しした。そのため、平成25年度は、研究推進計画に挙げた健常日本人サンプルを用いた遺伝子解析、新規患者の遺伝子解析のために用いる物品の購入および消耗品購入使用する。具体的には研究代表者の所属変更に伴い、新たに揃える必要が生じたサーマルサイクラー、電気泳動層、シークエンス解析に用いる消耗品等の購入使用を予定する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Clinical consequences in truncating mutations in exon 34 of NOTCH2: Report of six patients with Hajdu-Cheney syndrome and a patient with serpentine fibula polycystic kidney syndrome.2013
Author(s)
Narumi Y, Min B-J, Shimizu K, Kazukawa I, Sameshima K, Nakamura K, Kosho T, Rhee Y, Chung YS, OH Kim, Fukushima Y, Park WY, Nishimura G.
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Journal Title
American Journal of Medical Genetics
Volume: 161
Pages: 518-526
DOI
Peer Reviewed
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