2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病黄斑浮腫と網膜中心静脈閉塞症による嚢胞様黄斑浮腫の機能形態的解析
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24791846
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牛田 宏昭 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10612749)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管内皮増殖因子 / ELISA法 / 網膜電図 |
Research Abstract |
糖尿病黄斑浮腫の抗VEGF療法前に各種網膜電図(ERG)による網膜機能の解析を行った。国際視覚電気生理学会の基準でのERGにおいては、フリッカーERG、錐体ERGにおいて、潜時の延長があることが判明した。また、浮腫が改善すると潜時の延長が改善する傾向にあった。また前房水中の各種タンパク質濃度をELISA法にて測定した。VEGFだけではなく、IL-6などの炎症物質が上昇している傾向にあった。光干渉断層計(OCT)による形態においては、黄斑形態がびまん性の浮腫、漿液性網膜剥離を伴う浮腫、嚢胞様の黄斑浮腫、牽引性の浮腫などの種類に分類できる。その結果とVEGF濃度との関係に関連はなかった。また他のサイトカインにおいてもOCTの形態との関係は同様の結果であった。各種サイトカインとERG成分との関係は、先ほど示した錐体ERGにおいて、潜時とVEGF濃度が相関した。他の成分では関連するものはなかった。 抗VEGF療法前後の眼内の各種タンパク濃度の測定により、眼内VEGFの抑制に伴う各種サイトカイン濃度の変化を分析したが、投与期間中に有意にVEGF低下に相関するサイトカインはなかった。とくに変化がないものであった。抗VEGF療法前後に前房水の採取においては、治療の効果とサイトカインなどの眼内タンパクの関係について分析したが、抗VEGF薬の投与でVEGFは減少したが、効果と相関するものは、なかった。しかしVEGF濃度と相関するERG成分の潜時があるが、潜時とは、治療効果(OCTでの中心窩網膜厚の減少率)は相関した。そのことからVEGF以外の治療標的となりうるような治療因子の候補は同定するにいたらなかった。
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