2013 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリン3E/プレキシンD1経路の制御による脈絡膜新生血管の治療法開発
Project/Area Number |
24791847
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大石 明生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50572955)
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / PlexinD1 / Semaphorin3E |
Research Abstract |
Semaphorin3EはPlexinD1に結合することで、血管内皮細胞の糸状仮足の退縮を促し、特に発生期において血管系構成のガイダンスとして働くことが知られている。本研究ではこのSemaphorin3E/PlexinD1シグナル経路の加齢黄斑変性発症・進展への影響を、マウスでのレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを用いて検証した。結果、脈絡膜新生血管の組織中にPlexinD1が発現しており、レーザー誘発後5日目で有意に発現がupregulateされていること、Semaphorin3E投与により脈絡膜新生血管の面積が縮小すること、この効果はPlexinD1 KOマウスでは消失することを示し、関連学会での発表、論文の投稿を行った。この結果はSemaphorin3E/PlexinD1の経路が脈絡膜の血管新生にも関わっていることを初めて示したものである。現在当該疾患の治療に用いられている抗血管内皮増殖因子療法は頻回の治療、高額な費用に加え、長期投与による副作用も指摘されつつある。今回の研究対象であるPlexinD1は正常の血管にはほとんど発現していないことから、抗血管内皮増殖因子治療と比較して、病的な血管新生のみを抑制することで、より選択的な治療となる可能性がある。この効果がより高等の動物でも見られるかどうか、選択的な治療であることで副作用を抑制することにつながるのかどうかについては今後検討を重ねる必要がある。
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