2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム解析による日本人の加齢黄斑変性感受性遺伝子同定
Project/Area Number |
24791856
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 直士 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30515052)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 疾患関連遺伝子 |
Research Abstract |
多因子疾患である加齢黄斑変性 (AMD) の病態はいまだ完全には解明されておらず、予防法や根治的治療法は確立されていない。これまで複数のAMD感受性遺伝子が欧米人を対象とした研究で同定され、その後、日本人においてもそれらの多くがAMDと関連する事が確認された。しかし、最近の研究結果は、AMD感受性遺伝子の一部は日本人と欧米人で異なっていることを示唆している。本研究の目的は、さらなる日本人のAMD感受性遺伝子の同定を通じて、日本人に適した新規分子標的治療の開発への道を開くことである。 本年、我々は欧米人集団で同定されたAMD感受性遺伝子領域のひとつであるMHC classIII領域(C2/CFB領域)を詳細に解析し。これにより、AMDの遺伝的背景の人種差を明らかにし、日本人においてより重要なAMD感受性遺伝子多型の同定を目指しており、現在も研究を進行中である。同時に、AMDおよび正常コントロールDNAサンプルの収集を継続して、さらなるサンプル規模の拡大を行っている。 また、中国人集団を対象とした研究によって、AMDの一亜型であるポリープ状脈絡膜血管症 (PCV)の新たな疾患感受性遺伝子多型(rs10757278)が他研究グループより報告された(Zhang X et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2011)。PCVはアジア人に多く、欧米人では少ないAMD病型であるため、我々はこの報告を重要視して、その関連性の再現性を確認する研究を行った。しかし、我々の日本人PCVサンプルと正常コントロールとの比較ではrs10757278とPCVとの関連は認めず再現性は得られなかった。この研究成果は第66回日本臨床眼科学会で発表した。
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