2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791863
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有村 昇 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70543594)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 眼病理学 / 網膜剥離 / 液性因子 |
Research Abstract |
1.High-mobility group box 1 protein(HMGB1)はラット網膜剥離後に主に視細胞核内で発現上昇し、アポトーシス細胞ではそれが認められないことから、核内HMGB1は網膜剥離ストレス下での視細胞の生存において重要な因子であることが示唆された。一方で、視細胞死に伴って細胞外へ放出される、細胞外HMGB1は、網膜剥離における視細胞変性という危険を伝える伝達因子である可能性を示唆した。またラット網膜剥離で、VEGF非依存性にstoromal cell-derived factor1(SDF-1)の眼内での増加が確認され、SDF-1を実験的に阻害することで視細胞死が増加したことからSDF-1の視細胞保護機能が示唆された。また両因子は細胞内ERKシグナルを介して作用していることを見いだした。 2.我々のグループは、生体に近い極性を持つ網膜色素上皮細胞(RPE)の培養系の確立に成功している。TNF-a等の炎症性サイトカイン刺激を行うと、極性を持つRPEと極性を持たないRPEでは刺激による上皮バリア機能に関する反応性が異なる事を見いだした。Western-blotによって細胞内のMAPK発現量が異なる事が分かった。以上から、細胞内シグナル発現量の違いが前述の反応性の差異に関与すると考え、DNAマイクロアレイを利用して、網羅的に極性・非極性RPE細胞の遺伝子発現の違いを解析した結果、細胞内シグナルに関与するものとして、p38MAPK, NF-kBの発現が異なる事が分かった。 現在、極性のあるRPE培養系を用いて、上記のHMGB-1およびSDF-1刺激を行い、細胞内シグナルとの関連を検討している。
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