2016 Fiscal Year Annual Research Report
Association between the diabetic retinopathy-related gene polymorphisms and the progression of diabetic retinopathy and diabetic macula edema.-A prospective study.
Project/Area Number |
24791880
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 新子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70366300)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は複数の因子が関与する多因子疾患である。糖尿病網膜症(以下網膜症)にも遺伝因子の関与が指摘されており、我々は網膜症に関する遺伝子多型について調査した。 近年網膜症の病態に白血球の関与が指摘されており網膜症患者の網膜血管内皮細胞では白血球接着分子(intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)の著明な増加が認められ、白血球の血管内皮への接着を促進することが示されている。白血球の接着は、網膜症の発症、進展の病態である微小血管閉塞、無血管野の形成や血液網膜関門の破綻、蛋白漏出を起こす際の重要な役割を担っていることが解明されてきている。また網膜症において視力低下の原因になる黄斑浮腫も、硝子体液中のICAM-1濃度が増加していることが知られている。Monocyte chemoattractant protein(MCP-1)は内因性の白血球遊走、活性化作用を持つケモカインであり組織での炎症に関与している。MCP-1は動脈平滑筋細胞に作用し血管新生を引き起こす可能性があり、増殖性糖尿病網膜症患者での眼内液濃度が増加していることが報告された。ICAM-1遺伝子多型K469 E、MCP1遺伝子多型A-2518Gは各々ICAM-1の発現、MCP-1産生に関与していることが知られており、さらに網膜症との関連についても既に報告されている。今回ICAM1遺伝子多型、MCP-1遺伝子多型と網膜症の有無について調査した。網膜症の有無とICAM-1 遺伝子多型との間に有意な関連を認めた(p=0.03)が黄斑浮腫の有無との間には関連性は認められなかった。MCP-1遺伝子多型と増殖性糖尿病網膜症との間には関連は認められなかった。今回の結果からICAM-1遺伝子多型が網膜症の発症、進展に関与しており、将来的には網膜症の予後予測に役立つ可能性があると考えられた。
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