2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒルシュスプルング病および類縁疾患の原因遺伝子解析と神経堤幹細胞移植治療
Project/Area Number |
24791890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤村 匠 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80573443)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / 幹細胞移植 / 神経堤細胞 |
Research Abstract |
① ヒト腸管由来の神経堤幹細胞を分離同定と、その詳細な解析に関しては24年度は5件のヒト検体を用いた実験を施行。うち2件で神経堤幹細胞のsphere作成、同定に成功している。しかしながら、成功例の条件が特定できておらず。現在、神経堤細胞増殖に寄与するといわれるGDNF,Wnt3aなど添加を検討中である。ヒト検体を用いた分離の機会は限られているため、マウスを用いてその条件検討を行っている。マウスで安定した結果を得られた段階でヒト検体にも応用していく。 ② ヒルシュスプルング病モデルマウスの作成は薬剤(塩化ベンザルコニウム)を用い、野生型ICR、C57BL/6Jに対して手術を行い、作成した。これらは免疫染色上では明らかな腸管神経の欠損を認めている。現在はそれらの体重増加、食事摂取量、排便量を観察し、機能解析を進めている。ヒト神経堤幹細胞移植の前段階としてマウス神経堤幹細胞をヒルシュスプルング病モデルマウスに移植する実験ではこれらを用いている。今後、ヒト神経堤幹細胞移植の段階ではマウスの種類をNOD-SCID、NOGマウスに変更し同様の手技でモデルマウスを作成する。 ③ 腸管神経堤幹細胞のヒルシュスプルング病モデル動物への移植と、生着・分化・機能回復の検証についてはヒト検体を入手する機会が少なく、現在は主にマウスを用いた実験を進めている。マウス神経堤幹細胞はヒトに比較して安定した分離が可能であり、それらをffLuc virusを用いて細胞を標識し、ヒルシュスプルング病モデルマウスに移植することに成功している(ヒト検体でも標識は可能であった)。In vivo imaging systemが導入できたため、8週間に渡り、生体内での生着を確認が可能となった。現在、神経堤幹細胞移植したモデルマウスの腸管を摘出し、免疫組織化学染色を行い、生着した細胞の生着部位の特定、分化傾向を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験系の確立はマウス検体もヒト検体も同様の手技で行うように計画しており、マウスにおいては神経堤幹細胞の分離・同定、ウイルスでの細胞標識、、モデルマウスの作成、移植、移植後の生体内生着評価が達成できており、免疫組織化学での評価と機能解析を残すのみである。ヒト検体でも神経堤幹細胞の分離・同定、ウイルスでの細胞標識までは達成できており、マウスの手技をもとに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
特に方策に変更はなく、現状の進行状況を維持する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの購入・維持費 20万前後、移植用顕微鏡の購入 20万前後、移植手技記録用カメラの購入 5万前後、移植後腸管の評価のための抗体購入 40万前後、論文作成の際の校正費用 20万前後、研究成果発表学会旅費 10万前後、培養用試薬購入費 50万前後、培養容器購入 30万前後、生体内生着評価のための試薬(ルシフェリン)購入 30万前後として使用予定。 未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に当てる予定である。
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Research Products
(3 results)