2013 Fiscal Year Research-status Report
短腸症候群:新しい腸管再生を目指して レニンーアンギオテンシン系の役割
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24791891
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古賀 寛之 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30468574)
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Keywords | 短腸症候群 / レニンアンギオテンシン |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、短腸症候群モデル(SBS)作成をおこなった。SBSモデルより検体採取を行い、SBS群はControl群と比べて空腸・回腸ともにvillus height/crypt depthともに術後1週間で優位に増加を示した。空腸について、M-SBS群(中腸切除)におけるvillus height/crypt depthの変化はD-SBS群(遠位腸切除)よりも有意に増加を示した。また回腸については、P-SBS群(近位腸切除)におけるvillus height/crypt depthの変化はM-SBS群よりも有意に増加を示した。腸管大量切除術1週間後の形態学的変化においてD-SBS群はもっとも変化に乏しいものであったことが示された。腸管大量切除術1週間後の腸管上皮細胞のproliferationの変化についてBrd-U染色により評価した。apoptosis 経路内因性のbcl-2/baxのmRNAの発現についてRT-PCRを用いて評価した。bcl-2発現についてD-SBS群・P-SBS群はコントロール群より優位的高かった。D-SBS群はP-SBS群よりもbcl-2の発現は優位的に増加していた。bax発現についてP-SBS群・D-SBS群はコントロール群間に有意差は認められなかった 。またproliferation経路についてKGF/KGF-R1のmRNAの発現についてRT-PCRを用いて評価した。KGF/KGF-R1発現についてはP-SBS群・D-SBS群はコントロール群よりも増加傾向が認められたが、D-SBS群のみ有意差が認められた 。 対比治療群としてのアンギオテンシン投与群を現在作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SBSモデル作成・検体採取が当初予定した計画よりも遅延したために、全体の計画が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により解剖学的部位の違いにより短腸症候群における腸管adaptationに差があることが示された。その要因の一つにapoptosis/proliferationのメカニズムが関与している事が予想される。今後は治療薬としてのアンギオテンシン阻害剤がそのメカニズムにどのように作用にするかを評価する予定である。
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