2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
土井 崇 順天堂大学, 医学部, その他 (50433777)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
器内温度38℃、湿度65-75%に設定した孵卵器を用いて有性鶏卵を温めハミルトン‐ハンバーガー分類で17-18に達したトリ胎児を、発泡スチロール製の容器と食品用ラップにて作製した移植装置を用いて卵殻内から殻外に移植し(ex-ovo explantatnion technique)、50μM・50μlのCdAcをトリ胎児の直上からピペットにて直接滴下した。対象群には50μlのNaAcを同様に滴下したものを使用した。その後孵卵器に再び戻し、その腹壁形成への影響が確認できる、保温開始から24時間後、48時間後の時点でにトリ胎児を摘出し、形態学的にその催奇形性を評価し、記録した。またホルマリン保存のトリ胎児からパラフィンブロックを作製した後、厚さ5μmで体幹の下肢レベルにて切片標本を作り、ヘマトキシリン‐エオジン染色にて組織学的に主に体節の発生におけるカドミウム群と対象群との相違点を観察した。カドミウムトリモデルの体節の分化・発生において、一番早期に組織学的な変化が見られたのが保温4時間後以降であったことがこれまでの研究で分かっているため、その分子機構の解明のために保温から1時間、4時間、8時間後にトリ胎児を摘出し、Trizol保存(RT-PCR用)とホルマリン保存(免疫染色用)の両方を作成することに成功した。今年度はまずこのTrizol保存したものからRNAを抽出し、逆転写酵素によるcDNA検体を作製した後、あらかじめ自らデザインしておいた標的遺伝子に対する特異的なプライマーを用いてリアルタイムPCRを行い、結果を対象遺伝子のGAPDHとの反応生成物の濃度を比較することにより、比較的発現度を統計学的にまとめた。結果は欧州小児外科学会および国際小児外科研究会において口演発表する機会を得て、世界中の研究者に貴重な情報を発信できたことは、この助成事業の成果として大きいものと判断する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに研究が軌道にのっており、成果を2つの国際学会で発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ホルマリン保存のトリ胎児からパラフィンブロックを作製した後、マイクロトームを用いて厚さ5μmで体幹の下肢レベルにて切片標本を作る。PAX3とMRFs蛋白対するポリクローナル抗体を100倍希釈して一次抗体として用いる。一次抗体と4℃の冷蔵庫内で一晩寝かせた切片標本を、今度は蛍光(テキサスレッド)でラベルされた二次抗体と常温で20分間反応させ蛍光染色を行う。封入には核酸に対するDAPI染色を含んだ親水性のシーリング材を用いる。最後に多焦点顕微鏡を使用し、高解像度の蛍光染色画像を記録し、その分布と発現の程度を二重盲検法により客観的に比較する。 平成24年度~平成25年度のPAX3およびMRFsを標的とした分子学的研究の成果を基に、さらに他の関連遺伝子や蛋白を同じ方法で調査し比較・統合することにより、さらに総合的に、この先天性臍帯ヘルニアの病因となり得る分子シグナル機構の詳細を解明していく
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品 (主に実験材料、試薬)600,000 旅費 (国際学会発表) 600,000 その他 100,000
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