2013 Fiscal Year Annual Research Report
難治性皮膚潰瘍に対する青色LED光を使用した光線力学療法の検討
Project/Area Number |
24791916
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
白川 真紀子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 医員 (30534630)
|
Keywords | 光線力学療法 / MRSA / 5-アミノレブリン酸 |
Research Abstract |
まず始めに、波長410 nmのLED光源を作成し、その照射出力、照射条件を決定した。その後、正常ヒト上皮細胞及び皮膚線維が細胞をin vitroで培養後、作成した波長410 nmのLEDを5、20、50 J/cm2でそれぞれ照射し、照射後の乳酸脱水素酵素(LDH)を測定し、波長410 nmのLEDは、正常な細胞に細胞毒性を示さないことを確認した。次にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を培養後、コントロール群、5-アミノレブリン酸(5-ALA)単独投与群、LED単独照射群、5-ALA及びLED照射群(PDT群)でのMRSAのコロニーの増減を調べ、5-ALAの有効濃度とLED照射出力を検討した結果、5-ALA 2.5 mg/ml、照射出力50 J/cm2で良好な殺菌効果を認めることがわかった。次に、糖尿病マウスにおける実験を行った。まず始めに糖尿病マウスの背部に直径6 mmの皮膚欠損創を作成し、創収縮抑制の為に創周囲にシリコン性のリングを縫い付け、創面にMRSAを接菌することにより、マウス背部に安定して創感染を引き起こすことを確認した。その後、このMRSA感染皮膚潰瘍マウスに、5-ALAを濃度0、50、200 mg/kg投与する群にわけ、波長410 nmのLEDを未照射群、20、50 J/cm2照射群に分け、LEDを照射したところ、未照射群では、照射開始13日目で、元の創の大きさの30%程度しか上皮化が起らなかったが、5-ALA 200 mg/kg、LED 50 J/cm2照射群では、13日目でほぼ創閉鎖が得られ、MRSA未感染群と同程度の創傷治癒が得られた。この結果、5-ALA、波長410 nmLEDを用いたPDTは、MRSA感染皮膚潰瘍の新たな治療法になる可能性があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)