2013 Fiscal Year Research-status Report
有限要素法モデルによる前胸部ケロイドの生体力学解析
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24791920
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 純平 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90365312)
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Keywords | ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 有限要素法 / コンピュータ・シミュレーション / テーピング |
Research Abstract |
術後の肥厚性瘢痕やケロイドは、患者と外科医双方にとって深刻な合併症である。創にかかる緊張の程度は、ケロイド・肥厚性瘢痕発生の最も重要な因子として知られている。このため、現在、ケロイドや肥厚性瘢痕の予防・治療として最も一般的な方法は、創の緊張を軽減する方法であるが、創とその周囲に及ぶ生体力学的現象が十分に解明されていないため、効果は限定的である。より効果的なケロイド・肥厚性瘢痕の予防法の開発のため、人間の体の一部を完全に再現した有限要素法モデルの作製が必要不可欠であると考えられる。今回、前年度にMultidetector-row computed tomography(MDCT)画像から作成した男女の胸部モデルに、実際に臨床で観察されるケロイド形状をパターン化したものを作成した。力学モデルに、日常生活で起こりうる負荷を加えて、ケロイドとその周囲に発生する応力の解析を行った。解析はANSYS12.0を用いて行った。本実験により、創とその周囲にどのような応力が働いているのか、明らかとなった。今後は、実際の臨床データと比較検証することで、ケロイド悪化のメカニズムや、応力と創傷治癒との関係が明らかとなることが期待される。さらにモデルを発展させることで、どのような後療法を行えばケロイド発生が予防できるのか、あるいは発生したケロイドにどのような治療を行えば、力学的悪化因子を取り除くことができるのか、解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎データの集積が終わり、シミュレーションモデルも完成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた実験データを実際の臨床に活用していき、新しい治療法の開発につなげていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定より物品購入が安くすみ、次年度の研究で支出が大きくなることが予想されたため、繰り越させていただきました。 次年度の消耗物品費として使う予定です。
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