2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791925
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 有紀 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60387066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 脊髄損傷 / 細胞治療 |
Research Abstract |
再生医療に用いる移植細胞減として脂肪組織に着目し、外傷性脊髄損傷モデルラットへの脂肪組織由来細胞(adipose-derived stem/stromal cells; ASCs)移植を検討しており、ASCsの移植は、障害を受けた後肢運動機能の回復を促進させ、脊髄損傷部の空洞化を抑制する効果、すなわち、治療効果があることをこれまでに明らかにしている。また、その作用機序の一つにとして、好中球走化性因子であるcytokine-induced neutrophil chemoattaractant-1(CINC-1)が関与する可能性を見出した。 本研究では、損傷モデルラットに対してCINC-1を静脈内投与し、後肢運動機能の回復効果を検討した。併せて、ラット凍結脂肪組織からのASCsの単離について検討した。 損傷8日目に、ラットASCs、CINC-1、あるいは生理食塩水を損傷ラット尾静脈より投与したところ、CINC-1投与群もASC移植群と同様に後肢運動機能の回復を促進させ、CINC-1に関して興味深い知見が得られた。また、ラット脂肪組織を摘出し、-80℃下で一定期間保存後にASCsの単離を試みたところ、凍結組織から単離したASCsでも増殖し、培養は可能であった。細胞倍加時間を検討したところ、継代数が少ない時、細胞は活発に増殖するのに対し、継代が進むと増殖力は低下したが、その傾向は新鮮組織あるいは凍結組織由来のASCs共に同様であった。 今後、ASCsの移植に関して、また、凍結組織からのASCsの単離について詳細な検討、ならびにヒトASCsに関する検討が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな目的は、①CINC-1の作用、②凍結脂肪組織からのASCsの単離・培養の可否についてを明らかにすることの二点である。平成24年度は主にラットでの検討を計画し、モデルラットへのCINC-1投与の効果、また、ラット凍結脂肪組織からのASCsの単離・培養が可能であったという結果が得られおり、概ね順調に進展しているものと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ラットASCsに加えてヒトASCsでの検討を計画しており、ヒト脂肪組織の入手が律速になると思われる。そこで、現時点においてヒト脂肪組織は、聖マリアンナ医科大学病院形成外科の手術時に余剰となった皮下脂肪組織を、文書同意の得られた患者に提供していただく予定であるが、他科においても脂肪組織の提供にご協力いただけるよう、臨床研究の申請を検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の予算内訳では、旅費として30万円およびその他として50万円を計上していた。しかしながら、予定していた国外学会が平成25年度に会期が変更となり、また、本研究成果が学術論文への発表にまでに至らなかったことから次年度使用額が生じたものである。 従って、当該研究費は当初の予定通り国外学会参加、および学術論文発表の際の経費として平成25年度の予算内訳に計上する。
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Research Products
(3 results)