2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24791925
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 有紀 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60387066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 脊髄損傷 / 細胞治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療に用いる移植細胞の供給源として脂肪組織に着目し、外傷性脊髄損傷モデルラットに対する脂肪組織由来幹細胞(adipose-derived stem/stromal cell; ASCs)の経静脈的な移植を検討してきた。ASCsの移植により障害を受けた後肢運動機能の改善が促進すること、すなわち、治療効果があることをこれまでに明らかにし、そのメカニズムの一つとして、好中球走化性因子であるcytokine-induced neutrophil chemoattaractant-1(CINC-1)が関与する可能性を示してきた。 本研究において、損傷モデルラットに対してCINC-1を静脈内投与し、運動機能回復効果を検討したところ、ASCsの移植と同様に運動機能回復促進効果が得られた。また、ASCsの移植あるいはCINC-1投与により活性化されるシグナル経路を検討したところ、両群ともに細胞生存シグナルに関与するextracellular signal-regulated kinaseのリン酸化の亢進が認められた。 一方、臨床研究のためにASCsの採取を目的としたヒト脂肪組織の需要は非常に高く、その注目度が伺えるが、新鮮組織の入手は容易ではない。そこで本研究では、凍結脂肪組織からでも臨床使用可能なASCsの単離の実現を目指し、ラット凍結脂肪組織からのASCsの単離・培養を試みたところ、凍結組織由来ASCsでは、初回継代までに時間を有する傾向がみられたものの、その後は新鮮組織由来ASCsと同様の細胞増殖を示した。 平成26年度は、健常ラットに対するASCsの移植を試みた。すなわち、損傷がASCsの細胞動態に与える影響について検討した。その結果、健常ラットへの移植に比較して、脊髄損傷ラットでは、脊髄も含め臓器への集積が高く、特に血管では約5倍と顕著であった。
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Research Products
(3 results)