2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスが創傷治癒、肥厚性瘢痕形成に与える影響について
Project/Area Number |
24791930
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤田 和敏 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40461066)
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Keywords | 酸化ストレス / TRPCチャネル / 創傷治癒 |
Research Abstract |
酸化ストレスは、様々な活性酸素種(ROS:Reactive Oxygen Species)によって生体の酸化作用と抗酸化作用のバランスが崩れ、前者に傾いた状態のことである。炎症時には酸化ストレスが増大し、ROSが細胞機能を傷害する。一方ROSは生体内でも産生され細胞内において精密に制御されたシグナル伝達の担い手でもある。TRPチャネルは様々な環境因子を感応するチャネルであり、なかでもTRPC5は酸化ストレスに反応するチャネルである。ROSにより、TRPC5は開口状態で安定し細胞内Ca濃度を上昇させる。Caは細胞内シグナルの重要なセカンドメッセンジャーであり、その細胞内濃度の上昇は様々な反応を引き起こす可能性がある。 (研究実績の概要) 1).マウスTRPC5過剰発現線維芽細胞の作成;マウスTRPC5遺伝子をベクター(pMXs-IRES-GFP)に組み込んだ後、パッケージング細胞としてPlat E細胞にtransfectionしレトロウィルス液を作成、マウス皮膚線維芽細胞(NIH3T3)に感染させ、マウスTRPC5過剰発現線維芽細胞を作成した。過剰発現したTRPC5の機能についてはCa imagingにて確認した。 2).TRPC5過剰発現細胞を用いてROS添加時の細胞反応の観察;酸化ストレスへの応答性を観察するためROSとしてH2O2を用いて観察した。0.1-10mMH2O2をTRPC5過剰発現細胞とコントロール細胞に添加し、24時間の培養の後、創傷治癒・肥厚性瘢痕形成に関わる遺伝子発現をReal Time PCRを行い観察した。同じ濃度のH2O2を添加しても細胞毒性がassay毎に異なるため条件検討を要した。 3).抗酸化剤(還元剤)によって上記2).がどのように変化するかの観察;上記ROS添加実験での条件検討がまだ不十分なため、本実験についても条件検討中である。
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