2013 Fiscal Year Research-status Report
低酸素応答への介入による非脱分極性筋弛緩薬の肺保護効果についての研究
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24791942
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
舩木 一美 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30423263)
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Keywords | 非脱分極性筋弛緩薬 / 低酸素性肺血管収縮 / 肺循環 / 肺傷害 / 肺保護効果 |
Research Abstract |
低酸素応答は重要なホメオスタシス機能であるが、HPVや血管作動薬の作用増強による肺高血圧の惹起や、敗血症などなどの臓器低酸素状態による低酸素状態によるHIF-1を介した炎症性サイトカインの増加や各臓器への炎症性細胞の集積を誘発し臓器障害を惹起することが知られている。 本研究は、過去の実験で非脱分極性筋弛緩薬の一部にHPV抑制作用があることを確認した実験結果を基に、このHPV抑制作用が肺保護に作用するのか、またHPV抑制作用に留まらずHIF-1にも作用するのかを検討するのが本研究の目的である。 一昨年度は、非脱分極性性筋弛緩薬によるHPV抑制作用は可逆性、非脱分極性筋弛緩薬によるpH変化がHPV抑制作用に関与していない、非脱分極性筋弛緩薬の肺血管拡張作用がHPV抑制作用とは同一の減少とは考えにくいなどを知見として得ていた。昨年度はこの結果を基にin vivo実験を行った。しかし、当初予定としていた家兎低酸素性肺傷害モデルで、短時間で低酸素性傷害を作ろうと低酸素設定が厳しすぎたのか肺傷害発生前に家兎が突然死することがみられ、in vivo実験に遅れが生じ、肺傷害モデルを再構築して再度in vivo実験を再開している状況である。また、本研究では家兎でしか現象を確認していなかったので、他の動物種でも起こり得るのか確認を行ったところ、ラット摘出肺灌流モデルでも家兎と同様の結果を得ることができた。細胞実験については、in vivo実験の遅れが響き時間が不足したが、非脱分極性筋弛緩薬によってHIF-1αが抑制される可能性が示唆されそうだが、断定するには不十分な状態で、明確な結論が出るように解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は耐震工事が終わったことにより実験室が利用できるようになったが、備品に故障などみられ、特に細胞実験については実験をすぐに再開する状況にはならなかった。 そこで、摘出肺灌流肺モデルによる実験結果を基にin vivo実験を行なったが、当初予定としていた家兎低酸素性肺傷害モデルで、短時間で低酸素性傷害を作ろうと低酸素設定が厳しすぎたのか肺傷害発生前に家兎が突然死することがみられ、in vivo実験に遅れが生じた。 備品などの調整がつき始めたところで細胞実験を始めたが、in vivo実験のトラブルでこちらも遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo実験での急性肺傷害モデルの再構築に目処がついいており、in vivo急性肺傷害モデルにおいて非脱分極性筋弛緩薬の肺保護効果について検討する。また、細胞実験については、肺胞上皮細胞、肺微小血管細胞を使って非脱分極性筋弛緩薬のHIF-1αへの影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は耐震工事が終わったことにより実験室が利用できるようになったが、備品に故障などみられ、特に細胞実験については実験をすぐに再開する状況にはならなかった。 そこで、摘出肺灌流肺モデルによる実験結果を基にin vivo実験を行なったが、当初予定としていた家兎低酸素性肺傷害モデルで、短時間で低酸素性傷害を作ろうと低酸素設定が厳しすぎたのか肺傷害発生前に家兎が突然死することがみられ、in vivo実験に遅れが生じた。 備品などの調整がつき始めたところで細胞実験を始めたが、in vivo実験のトラブルでこちらも遅れが生じた。 in vivo急性肺傷害モデルにおける動物購入、薬剤に研究費を使用する予定である。また、細胞実験における肺胞上皮細胞、肺微小血管細胞の購入やPCR備品の購入に使用する予定である。
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