2013 Fiscal Year Annual Research Report
輸液容器と輸液ラインの連結針の細菌汚染に関する研究
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24791945
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中瀧 恵実子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60467818)
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Keywords | カテーテル関連血流感染 / 輸液ライン / 連結針 / 細菌汚染率 |
Research Abstract |
カテーテル関連血流感染(catheter related-blood stream infection: CR-BSI)は輸液ラインの不適切な取り扱いに起因する感染症である。閉鎖回路である輸液ラインが一時的に大気に開放される際に起こる細菌汚染が、CR-BSIの原因の1つとして考えられる。細菌の侵入部位としては、皮膚刺入部、薬液注入部、輸液容器が考えられる。輸液容器には輸液ラインの連結針を刺入する構造になっており、輸液容器を更新する際にはこの連結針を輸液容器から抜き、次の輸液容器に差し換える。この時に細菌汚染が起きる可能性があるが、汚染率や原因菌について詳しいことは分かっていない。そこで我々は集中治療患者を対象とし、輸液容器の更新を複数回行った輸液ラインにおいて、連結針の細菌汚染率、汚染原因菌を調査した。 対象は当院集中治療病棟に入院し、72時間以上輸液療法を受けた成人患者とした。72時間連続使用した輸液ラインの連結針を無菌操作下に採取し細菌培養検査を行った。また輸液容器の更新回数を記録した。検体数は265本であった。15検体(5.7 %)で細菌培養が陽性となり、17菌種が同定された。菌種はStaphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、他のCNS、α-Streptococcus、Corynebacterium sp、他の桿菌であった。輸液容器の交換回数(中央値)は全体で2-16(2.0)回、陽性検体2-13(8.0)回、陰性検体2-16(2.0)回であった。 本研究はCR-BSIの原因となりうる輸液容器および連結針の細菌汚染に関する、初めての独立した臨床研究である。
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