2013 Fiscal Year Annual Research Report
血小板内microRNA発現の違いが心肺補助循環時の血小板機能低下へ及ぼす影響
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24791949
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
前田 祥子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90529512)
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Keywords | 遺伝子治療 |
Research Abstract |
我々は最近の研究結果により、心臓手術患者における人工心肺離脱直後にトロンビン刺激に対する血小板不応性現象の原因として、血小板活性化(Hyperreactivity)に伴う血小板細胞内p38MAPKリン酸化、Bax、Bakの発現亢進と血小板膜表面GPIb, PAR-1の発現低下にあると考えた。つまり、血小板活性化(Hyperreactivity)後の血小板細胞死の過程が、周術期の血小板機能低下と血小板数減少に関与することが示唆された。最近の報告によると血小板作動薬に対する血小板の反応性の違いに、血小板内のmicro RNA(miRNA)発現の違いが関与していることが示唆されている。 去年度の研究により、miR-886-5pの発現とトロンビン刺激による血小板内Baxの発現、及び血小板表面Glycoprotein Ibの発現低下に相関があることを見出した。 本年度においては、人工心肺下心臓手術患者の周術期の血小板内のmiR-886-5p変化と、血小板内Baxの変化を観察した。実験結果として、血小板内のmiR-886-5pが上昇している患者の方が、血小板内Baxの発現が抑制されている事が分かった。 次に、細胞培養系の実験で、洗浄血小板溶液を作成し、miR-886-5pを遺伝子導入すると、血小板内Baxの発現が抑制される事が分かった。 以上の結果から、周術期の血小板内のmiR-886-5p変化と、血小板内Baxの変化が負の相関関係を示していることが分かった。 また、これらの実験経過から血小板から放出されるmicroRNAの網羅的解析を行うため、次世代シーケンサーを共同購入した。これらで得た実験結果は、今後学会等で報告する予定にしている。
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Research Products
(1 results)