2013 Fiscal Year Research-status Report
NF-κBデコイのin vivo ターゲティングシステムを用いた骨修復機構の検討
Project/Area Number |
24791959
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20431512)
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Keywords | 骨修復 / 炎症 / 細胞 / 組織 / 再生医学 / NF-κB |
Research Abstract |
本研究は、nuclear factor-kappa B (NF-κB) デコイを用いて炎症関連分子の発現を一括して抑制し、ラットの頭頂骨規格化骨欠損における骨修復について検討することにより、炎症が骨修復において果たす役割の一端を明らかにすることを目的とする。 これまで、ラットの頭頂骨に作製する骨欠損のサイズと、骨欠損部に埋入するコラーゲン担体のサイズについての検討を行ってきた。しかしながら、①担体の厚みが一定にならない。②ラットを用いた予備実験の結果、骨欠損内での安定性が悪い(コラーゲン担体が湿潤状態で多少収縮することが原因であると考えられる)。以上の問題点が生じた。そこで本年度は、これらの問題点を解消するために様々な試みを実施した。これまで担体は鋳型に入れて作製していたが、一定の厚みを持つコラーゲンシートをパンチでくりぬく方法に変更した。また、埋入する担体のサイズは頭頂骨に作製した骨欠損より直径が0.5㎜大きいものに変更することにした。現在、ラットを用いて、上記の変更を加えた新たなコラーゲン担体を骨欠損に埋入し経過を観察中である。今後は、コラーゲン担体の分解速度を確認し、NF-κB デコイの濃度の調整や担体への投与方法を検討する予定である。 本研究において、申請者はNF-κB デコイを利用した炎症関連分子抑制下における頭頂骨規格化骨欠損実験系の確立を目指している。NF-κB デコイのin vivoターゲティングシステムが確立できれば、これまで困難であった炎症抑制下で起きる様々な現象について新たな知見が得られることになり、延いては炎症が生体に及ぼす影響についてより多くの情報を得ることが可能になる。従って申請者は、本研究で用いる実験系の確立は大変意義深いものであると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年10月から平成25年5月まで、産前産後休暇と育児休暇を取得しており、研究に取り組める時間が少なくなってしまったため、研究の進行状況は当初の計画より大幅に遅れている。 また、東日本大震災による研究棟の改修工事のため、平成25年9月から現在まで、仮移転先で研究業務を遂行している。仮移転の準備のために多大な時間を要し、実験中断を余儀なくされたこと、さらに、仮移転先の実験設備が縮減されており、当初の計画通りに実験を行うことができなかったことなどから、研究に大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
産前産後・育児休暇による約半年の研究中断期間と研究棟の改修工事による研究の遅れを考慮し、NF-κBデコイのin vivo ターゲティングシステムの確立後、Real-time PCRとin situ hybridizationによる骨形成能の検討を並行して実施するようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、約半年に及ぶ産前産後・育児休暇取得による研究の中断と、研究棟の改修工事に伴う研究業務の遅延により発生した未使用金額である。 次年度に延期した実験を行うために必要な経費として平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。
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Research Products
(3 results)