2014 Fiscal Year Research-status Report
NF-κBデコイのin vivo ターゲティングシステムを用いた骨修復機構の検討
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24791959
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20431512)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨修復 / 炎症 / 細胞 / 組織 / 再生医学 / NF-κB |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、nuclear factor-kappa B (NF-κB)デコイを用いて炎症関連分子の発現を一括して抑制し、ラットの頭長骨規格化骨欠損における骨修復について検討することにより、炎症が骨修復において果たす役割の一端を明らかにすることを目的とする。 これまで、デコイを浸潤させるコラーゲン担体について、形状・サイズ・分解速度などの検討を行ってきた。しかしながら、担体と薬剤の条件設定が難しく、実際に実験に使用できるまでに至っていない。そこで、担体を用いたin vivoターゲティングシステムの開発を一時的に中断し、炎症非抑制群(コントロール群)の骨形成能および修復骨の量と質の解析を先行して行うことにした。現在、ラットの頭頂骨に規格化骨欠損を作製し、炎症関連分子(TNF-α, IL-1, IL-6等)の発現の解析を試みている。具体的には、直径4.0mmノトレフィンバーを用いて骨欠損を作製し、術後1週、2週、3週、4週、6週、8週の各ポイントで、修復骨組織を採取し、mRNAの発現量を調べる予定である。 骨の修復・治癒における炎症の働きについては情報が少なく、一般的には過剰な炎症は修復・治癒にとって有害であると考えられている。しかし申請者は、適度な炎症は組織の修復・治癒に必須であるとの仮説を立て本研究に従事しており、生理的状態における骨欠損修復過程で、炎症関連分子がどの時期にどのくらい発現するかを知るとことは大変重要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年10月から平成25年5月まで、産前産後休暇と育児休暇を取得しており、研究に取り組める時間が少なくなってしまったため、研究の進行状況は当初の計画より大幅に遅れている。 また、東日本大震災による研究棟の改修工事のため、平成25年9月から平成26年9月まで仮移転先で研究を行うこととなったが、仮移転先の実験設備が縮減されており、当初の計画通りに実験を行うことができなかった。また、仮移転の準備・元の研究棟への移転準備・片づけ等に多大な時間を要し、実験中断を余儀なくされたことから、研究に大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
デコイを浸潤させるコラーゲン担体の試作を一旦中断し、炎症非抑制群(コントロール群)の骨形成能および修復骨の量と質の解析を先に行うこととする。具体的には、ラットの頭頂骨に規格化骨欠損を作製し、修復骨組織中の炎症関連分子(TNF-α, IL-1, IL-6等)の発現をReal-time PCR法とin situ hybridization法を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、約半年に及ぶ産前産後・育児休暇取得による研究の中断と、研究棟の改修工事に伴う研究業務の遅延により生じた未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に延期した実験を行うために必要な経費として使用する予定である。
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