2015 Fiscal Year Annual Research Report
NF-κBデコイのin vivo ターゲティングシステムを用いた骨修復機構の検討
Project/Area Number |
24791959
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20431512)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 骨修復 / 炎症 / 細胞 / 組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、nuclear factor-kappa B (NF-κB)デコイを用いて炎症関連分子の発現をい一括して抑制し、ラットの頭頂骨規格化骨欠損における骨修復について検討することにより、炎症が骨修復において果たす役割の一端を解明することを目的とする。 これまでに、担体を用いたin vivoターゲティングシステムの検討を行ってきた。担体としてコラーゲンシートを規格化した骨欠損のサイズに合わせて調整し、その厚み、分解速度などを調べ、実際にラットの頭頂骨規格化骨欠損に埋入し、手術は成功している。しかしながら、担体と薬剤の条件設定が難しく、実際に実験に使用できるまでに至らなかった。 また、上記と並行して発生過程における骨形成時の炎症関連分子の解析を行った。生理的状態における骨欠損修復過程で、炎症関連分子のmRNA発現が見られることは知られているが、発生過程における骨形成過程での発現については詳細な報告はない。そこで、両者を比較検討するために、発生過程における骨形成過程におけるTNF-α、IL-6のmRNA発現を調べたところ、両者とも発現が見られた。現在統計学的に解析中である。 修復・治癒過程と発生過程は、組織形成という観点から共通したメカニズムを持つ可能性があると申請者は考えている。炎症関連分子は修復・治癒過程での働きしか注目されていないが、発生過程において発現があるとしたら、同様の働きを行っている可能性が示唆される。従って本研究結果は、発生過程における骨形成メカニズムに関わる炎症関連分子の新たな機能についての情報を提供できると考える。
|