2013 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルム形成ロシア・ミューシラジノーサの遺伝子解析
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24791975
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
山根 一芳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40388369)
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Keywords | バイオフィルム / Rothia mucilaginosa / 遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、カナマイシン耐性遺伝子をもつトランスポゾンを用いたランダムミュータジェネシスにより、ロシア・ミューシラジノーサ DY-18株の変異株を分離した。これらの変異株を昨年度、本基金により購入した、ラボ密度計(DMA4100M)と走査型電子顕微鏡を用いてスクリーニングし、親株と比較して培養菌液の粘度が低下して菌体周囲の網目様構造物の形成性が欠失又は減少した株をさらに7株得た。現在これら計10菌株について、次世代シークエンサーGS Junior system (Roche社)を用いて、トランスポゾン挿入部位の決定と、挿入部位のアノテーションを実行している。また、ロシア・ミューシラジノーサ DY-18株のバイオフィルム形成遺伝子を網羅的に解析するため、発現遺伝子をマイクロアレイで比較した。静置培養し、バイオフィルムを形成している細胞と、振とう培養して培養菌液の粘度が低い状態の細胞からそれぞれメッセンジャーRNAを抽出し、我々が明らかにしたDY-18株の全ゲノム配列の情報を基に作製したマイクロアレイでその発現レベルを比較した。その結果、いくつかのストレス応答遺伝子が、これらの培養条件によって変動していることが明らかになり、ロシア・ミューシラジノーサのストレス応答機構が、バイオフィルム形成性に関与することが示唆された。
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