2013 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体作動薬の扁平上皮癌への治療応用の検討
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24791982
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
梅村 直己 明海大学, 歯学部, 助教 (80609107)
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Keywords | がん幹細胞 / 分子標的薬 |
Research Abstract |
頭頸部扁平上皮がん幹細胞に着目し、頭頸部扁平上皮がん幹細胞マーカーであるCD44の発現を確認した。磁気ビーズ抗体にて頭頸部扁平上皮細胞株HSC-2, HSC-3よりCD44陽性細胞を分取し、幹細胞の特徴を有するか確認した。その結果、頭頸部扁平上皮癌細胞株CD44陽性細胞には移行能を有し、SOX2, Nanogなどが有意に発現しており、幹細胞の特徴を有している事を明らかにした。 頭頸部扁平上皮癌細胞のCD44に有効な化学療法を探索した。その結果、分子標的薬であるゲフィチニブ、ラパチニブ、エルロチニブ単独ではCD44の発現を減弱させる一方、細胞増殖に変化無く、アポトーシスへの誘導能は弱かった。そこで、イリノテカンと分子標的薬と併用してみた所、CD44の発現を減弱させ、さらにアポトーシスへの誘導が強化された。さらに腫瘍移植モデルを用いて検証した結果、イリノテカンと分子標的薬の併用により、腫瘍の再発が抑制される事を証明した。治療終了後の腫瘍ではイリノテカンと分子標的薬の併用した腫瘍組織では免疫組織染色でCD44の発現が減弱していた。 これにより、CD44を標的とした化学療法が腫瘍の転移・再発が抑制される事が示唆された。今後はより効果的な頭頸部扁平上皮がん幹細胞を標的とした治療法を開発するため、がん幹細胞の機構解析をしていく予定である。
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Research Products
(2 results)