2013 Fiscal Year Research-status Report
延髄味覚神経回路の成熟における味覚性入力の役割の解析
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24791990
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
諏訪部 武 朝日大学, 歯学部, 講師 (00610312)
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Keywords | 味覚 / 延髄 / 孤束核 / ラット |
Research Abstract |
ラットの孤束核細胞は胎生齢11日から14日の間に誕生すると報告されている。平成25年度は、胎生齢11日、12日、13日あるいは14日のタイミングで妊娠ラットにチミジン類似体であるEdUを投与して各胎生齢に誕生した細胞を標識しておき、生後、標識された細胞が孤束核のどの場所に分布するのかを調べた。その結果、細胞誕生時の胎生齢に依存した局在が認められた。この局在パターンは生後1日目には確認でき、少なくとも生後60-80日までは維持されていたことから、この局在のパターンは遅くともラットの誕生までに完成すること、また孤束核における味覚神経回路の成長に大きな影響を受けないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画申請時に予想した「孤束核細胞は細胞誕生時の胎生齢によって生後の孤束核における分布パターンが異なる」という仮説が25年度に行った実験により事実であることが明らかになりつつあること、また得られた結果から新たな課題も見つかったことから、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
孤束核には様々な機能を持った細胞が混在している。ニューロン、グリアなどを同定するための免疫染色を組み合わせて細胞誕生時の胎生齢と個々の孤束核細胞の機能の相関関係を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に行った実験は26年度に行う実験の基礎となるため実験結果の解析にを慎重に行った。そのため次の段階の実験に使用する助成金が26年度に繰り越しとなった。 1. 25年度に行った孤束核細胞誕生時の胎生齢の同定に、ニューロン、グリアなどを同定するための免疫染色を組み合わせて細胞誕生の胎生齢と個々の孤束核細胞の機能の相関関係を明らかにする。 2. 25年度には孤束核細胞誕生時の胎生齢の同定に1種類のチミジン類似体を使用したが、これを2種類に増やし、細胞誕生時の胎生齢に依存した局在の違いに関する証拠を強化する。
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