2013 Fiscal Year Research-status Report
独創的動物モデルを用いた金属アレルギーの免疫学的解析
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24791996
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 直毅 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (50625043)
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Keywords | 金属 / アレルギー / 炎症 / 細胞 |
Research Abstract |
金属は、剛性、延性、加工性に優れているため材料学的特性からも扱いやすく、歯科領域では、補綴治療をはじめとして古くから金属が多用され、患者のQOLを高めてきた。しかしその一方で、金属による炎症や口腔疾患、アレルギー性皮膚炎が誘導される場合がある。申請者は、「口腔内には常在菌が多く存在し、この口腔内環境が金属アレルギーの発症、増悪にかかわっているのではないか。」という独創的な発想のもと、細菌の菌体成分と金属溶液をマウスに投与することにより、ヒト疾患と類似した新規金属アレルギー動物モデルを開発し、金属アレルギーの病態解析を進めている。 本研究は、申請者らが開発した独創的新規動物モデルを用いて、金属アレルギーの病態を分子レベルで解析することを目的としている。 金属アレルギーは、1.金属溶出による細胞との接触、2.抗原提示(金属イオンと抗原)、3.病原性T細胞の活性化、の3つの段階で発症すると考えられる。本年度は、金属溶出による細胞との接触の段階を解析するためには金属イオンの可視化が必須であることからこの課題に取り組んだ。金属イオンの可視化のために、蛍光物質を細胞内に取り込む方法を開発した。細胞内蛍光を、蛍光顕微鏡で確認することはできたが、確実に金属イオンを捉えているのかについては検証が必要であり、金属イオンの細胞内濃度を誘導結合プラズマ質量分析を行い、蛍光強度と相関することを確認した。この方法により、ニッケルイオンの検出に成功し、細胞内でのニッケルイオンの可視化が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、金属イオンの可視化に困難を極めたが、細胞内に大型の分子量をもつ蛍光物質を取り込ませる方法の開発に成功したことにより、本年度は、ニッケルイオンの可視化に成功した。次年度以降は、細胞内の金属イオンの取り込みを解析できる状況になり、順調に研究を遂行できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内への金属イオンの動態を解析する。具体的には、R(マクロファージ細胞株、B細胞株、T細胞株それぞれを用い、ニッケル溶液を培養液中に添加し、蛍光物質を用いて、ニッケルイオンを可視化し、コンフォーカルレーザー顕微鏡ならびにフローサイトメーターにてニッケルイオンを検出する。さらに、細胞内小器官へのニッケルの局在を、細胞内小器官マーカーを用いて染色し、可視化したニッケルイオンとの二重染色により、明らかにする。この実験により、どの免疫細胞種にニッケルが取り込まれやすいか、どの細胞内小器官にニッケルが局在するのかを決定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していた細胞解析実験を次年度に延期することによって生じたものであり、次年度以降に実施する研究に必要な経費として、平成26年度請求額と合わせて使用する予定である。 蛍光物質を用いて、ニッケルイオンを可視化し、コンフォーカルレーザー顕微鏡ならびにフローサイトメーターにてニッケルイオンを検出、細胞内動態を解析する。この研究を実施するため、物品費、実験費、その他に使用し、研究成果発表のため、旅費に使用する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] NKG2D+ IFN-g+ CD8+ T cells are responsible for palladium allergy2014
Author(s)
1. Kawano M, Nakayama M, Aoshima Y, Kyohei Nakamura K, Ono M, Nishiya T, Nakamura S, Takeda Y, Dobashi A, Takahashi A, Endo M, Ito A, Ueda K, Sato N, Higuchi S, Kondo T, Hashimoto S, Watanabe M, Watanabe M, Takahashi T, Sasaki K, Nakamura M, Sasazuki T, Narushima T, Suzuki R, Ogasawara K
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9(2)
Pages: e86810-e86810
DOI
Peer Reviewed
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