2014 Fiscal Year Annual Research Report
独創的動物モデルを用いた金属アレルギーの免疫学的解析
Project/Area Number |
24791996
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 直毅 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (50625043)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アレルギー・ぜんそく |
Outline of Annual Research Achievements |
金属は、剛性、延性、加工性に優れているため、材料学的特性からも扱いやすく、歯科領域では、差し歯や銀歯とよばれる補綴治療をはじめとして金属が使用され、患者のQOLを高めてきた。しかしその一方で、金属による炎症や口腔疾患、アレルギー性皮膚炎が誘導される場合があり、その危険性は以前から指摘されてきた。また、金属アレルギーは、遅延型アレルギーに属し、金属に接触してから24時間以上経ってから症状が出現するため、原因の特定が難しく、原因不明の疾患として扱われることも少なくなく、金属アレルギーの研究は進んでいない。最近、申請者らは、独創的な発想のもと、細菌の菌体成分と金属溶液をマウスに接種することにより、ヒト疾患ときわめて類似した新規金属アレルギー動物モデルを開発することに成功し金属アレルギーの病態解析を進めている。 本研究は、申請者らが開発した独創的新規動物モデルを用いて、金属アレルギーの病態を分子レベルで解析することを目的としている。 金属アレルギーは、1.金属溶出による細胞との接触、2.抗原提示(金属イオンと抗原)、3.病原性T細胞の活性化の3つの段階で発症すると考えられる。 病原性T細胞の活性化について検討した結果、パラジウムにおいて、金属特異的T細胞が存在すること、そのT細胞は、パラジウムによる免疫で活性化すること、免疫と養子移入を繰り返すことにより、金属特異的T細胞を濃縮できることが明らかとなった。
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