2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌に対するBCGを用いた新規抗癌剤併用療法の開発
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24791998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 純 岡山大学, 大学病院, 助教 (40362983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 口腔癌 |
Research Abstract |
口腔癌担癌マウスモデル作製~腫瘍抑制効果検討~腫瘍転移効果検討 24年度はC3H:HeNマウスに対して、同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株を背部皮下もしくは尾静脈より播種、担癌させ、モデルマウスを作製。薬剤非投与群、BCG単独投与群、抗癌剤(5-FU)単独投与群、BCG・5-FU併用投与群の4群に分け、比較し、5-FU投与は腹腔内、BCG投与は皮下にて、週1回とした。 BCG菌株と抗癌剤5-FUの併用投与を行い、in vivoでのBCG生菌と抗癌剤併用による抗腫瘍効果を検討した。腫瘍増大率、生存率、体重の測定等、多角的に解析した。様々なBCG菌株の生菌での比較はできず、東京株について検討するにとどまった。マウス個体数が現時点では不十分であり、来年度も引き続き検討する予定である。 上記4群担癌臓器転移モデルマウス(尾静脈より腫瘍播種)作製し、その有用性を確認できた。すなわち、非投薬コントロール群において、播種後2か月程度での癌死、その他の投薬群において生存期間の延長を認めた。さらにすべてのマウス群において体重の増加も順調で、副作用は少ない可能性を示唆できた。中でも、BCG単独投与群においても、5-FU群、BCG・5-FU併用群同様の生存期間の延長を認めたことは、BCGによる転移腫瘍に対する抗腫瘍効果を反映すると考えられ、BCG療法が新たな転移阻害治療法となる可能性を示すと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔癌担癌マウスモデル作製~腫瘍抑制効果検討~腫瘍転移効果検討については当初計画の70%程度の達成度で、次年度での完成を期待できるものとなった。一方、小動物用PETイメージングによる遠隔転移阻害効果についての解析は達成できなかった。当初作製した臓器転移モデルでのPET撮像を計画、腫瘍の全身での転移状況を比較検討する予定であったが、PET装置の日程、撮像施設の調整などに問題があり、今年度の撮像を断念、次年度に持ち越しとした。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでのBCG生菌と抗癌剤併用による抗腫瘍効果の検討に際して、様々なBCG菌株の生菌での比較はできず、東京株以外についても検討する予定である。さらに、東京株を含めて、マウス個体数を増やして、引き続き検討する予定である。また、持ち越したPET撮像も実施する。PET撮像施設の準備も整い、5月よりPET撮像準備に入り、今夏以降撮像する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度よりの繰り越し金額はPET撮像に充てる予定である。次年度配分予定の研究費の使用計画は当初より変更なし。
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