2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌に対するBCGを用いた新規抗癌剤併用療法の開発
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24791998
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 純 岡山大学, 大学病院, 助教 (40362983)
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Keywords | 口腔癌 / 化学療法 / BCG |
Research Abstract |
口腔癌担癌マウスモデル作製~腫瘍抑制効果検討~腫瘍転移効果検討(前年度続き) 25年度はC3H:HeNマウスに対して、同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株を背部皮下より播種、担癌させ、モデルマウスを作製。薬剤非投与群、BCG単独投与群、抗癌剤(5-FU)単独投与群、BCG・5-FU併用投与群の4群に分け、比較し、5-FU投与は腹腔内、BCG投与は皮下にて、週1回とした。さらに前述の従来のマウス作製方法に加えて、本年度はより臨床に近い方法を検討した。マウス背部皮下に播種、担癌させ、一定の大きさに達した時点で腫瘍摘出した後、各投薬群に分けて投薬を開始するもので、このモデルマウス作製方法の採用によって良好な生存率結果を得ることができた。前年度の結果(従来のマウス作製法による)では、非投薬群と比較して、すべての投薬群において生存期間の延長を認めたが、BCG単独投与群、5-FU群、BCG・5-FU併用群それぞれでの生存期間の延長は差を認めることができなかった。しかし、本年度のモデル作製手法により、各群での生存期間延長に差を認めることができた。特にBCG・5-FU併用群は他群よりも有意差を持って延長していることを明らかに出来、BCGによる腫瘍再発抑制効果を反映すると考えられ、BCG療法が新たな再発阻害治療法となる可能性を示すと考えられた。この手法が良好な生存率検討結果を示した理由として、腫瘍の残存有無があると考えられる。従来法では原発を模した背部腫瘍を摘出せず腫瘍残存している状態での投薬であったため、薬剤効果(単独、併用等)が判然としなかった可能性がある。今年度の生存率計測に関しては、現在継続中である。前年度持ち越した、小動物用PETイメージングによる遠隔転移阻害効果についての解析は3回試行し、当初計画の50%程度の達成度で、次年度での完成を期待できるものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔癌担癌マウスモデル作製~腫瘍抑制効果検討~腫瘍転移効果検討については当初計画を達成し、新たに、より臨床的な検討方法を採用した再発抑制への効果を検討中で、次年度での完成を期待できるものとなった。前年度持ち越した、小動物用PETイメージングによる遠隔転移阻害効果についての解析は3回試行し、当初計画の50%程度の達成度で、次年度での完成を期待できるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はBCG/5-FU併用投与による再発抑制効果を明らかにできたため、各投薬条件における各種サイトカイン発現の多寡状況を解明する予定である。サイトカインアレイを受託にて検討する予定である。これらの追加実験を優先させるため、前年度より懸案の東京株以外の菌株を用いた検討は延期する。転移抑制効果の検討は引き続きPETを用いて行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度よりの繰り越し金は前年度に使用する予定であったPET撮像に必要な経費であったが、PET利用料金が減額となった事に加え、モデルマウス作製時期とPET撮像スケジュールの調整が合わず、前段階の撮像にとどまったため、今年度に持ち越しとした。 前年度よりの繰り越し金はPET撮像に充てる予定である。また、マイクロアレイの代替製品としてBio-Rad社製Bio-Plex マルチプレックスアッセイを行い、マウスサイトカイン23項目について解析を行う予定である。
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